2010年の秋に放送スタートした『SPEC』は今年で、放送開始から10周年。ということで、引き続き、4話をレビューしてみたいと思います。
※ネタバレしているところも多々あるので、ご了承くださいませ。
4話のあらすじ
近藤弐係長(徳井優)から自殺者遺族ネットワークの古戸久子(奥貫薫)を紹介されるミショウの面々。
彼女いわく、自殺サークルに入り1年前に死んだと思われていた娘・美智花からメールが届いたという。
彼女の入っていたサークル「PS」は、志願者が集まり集会を開き、実行する際にひとりだけ生き残るシステム。その人が幹事となり、もろもろの後始末をし、次の集会の人集めもするのだが、もし実行時に誰かが脱走しようとすると、それを処理するのも幹事の仕事。
だから古戸いわく、思いとどまった娘が脱走し、幹事に追われているのでは…とのこと。そして、「ひょっとしたら、自殺サークルと称して、『PS』は幹事が殺人を楽しむ場なのでは?」とも言い出す。
そんな奇想天外な話に興味津々で、捜査に協力すると言う当麻(戸田恵梨香)。あきれる瀬文(加瀬亮)。
まずは、1年前の集会の際に遺族に送られているはずの遺品が届いていない人が幹事だとあたりをつけ、いち家族ずつまわっていく。だが、結局すべての遺品が集まってしまう。
仕方がないので、実際にPSの集会へ参加することを当麻は決めるのだが……。
人物相関図
今回で、1話完結型の典型的なミステリータイプの話は一応終わりと言ってもいいかもしれません。
で、お題となっている「1年前の自殺サークルでの出来事から娘は生き延びているのでは?」=「幹事に娘が追われているのでは?」という事件について。
これはSPECホルダーの関与はなく。
SPECホルダーの関与は、遺品集めから。
どうしても、「幹事が逃げたものを追う」、「『PS』は幹事が殺人する場」に仕立て上げたいSPECホルダーが、遺品にある仕掛けを施します。
で、当麻が参加した(……いや、結局、近藤弐係長、瀬文、古戸さんも参加したのですが)PSの集会である事件が。
それもSPECホルダーによる犯行……。
と、もったいつけてますが、だいたい誰がSPECホルダー=犯人かわかりますよね。
念動力を持つ古戸さんが、自殺サークルに犯人がいることにしたかったせいで自分の力を使い、ある悲劇が起こるんです。
で、その事実を知って、感情を爆発させた古戸さんがSPECを起動。それで、遺品の回収から古戸さんの仕業だと証明されたのですが、SPECを使った場所が悪かった。そこは、ミショウの部屋。
だから、津田にバレて連れ去られてしまうという。
しかし、なぜ冷泉といい津田はSPECホルダーを連れ去っているのか、というのが、『SPEC』後半のキーになりますので、頭に入れておいてもらえると!
今回の指名手配犯ボスター
毎度おなじみ、ミショウの壁に貼ってある裏番組の「金曜ロードショー」の主人公に模した指名手配犯ポスター。
今回の指名手配犯の名前は「針井歩太」。
ってことでおわかりだと思いますが、裏番組は『ハリー・ポッター』でした。
ツボなポイント
大型バイクのブレーキのかけ方について当麻が説明するシーンがあるんだけど、その説明のために挿入された映像になぜか近藤弐係長が登場。
しかも、その背景が、『東京フレンドパーク』のデリソバシリーズの映像になんとなーく似てたのが気になりました。
見ておいたほうがいい動画
この回の題材が個人的には好きじゃないんですが、同じような題材で、同じ演出家の作品といって思い出すのは、『十二人の死にたい子どもたち』かな。
みんなで集まって……という視覚的な部分は、『SPEC』で、当麻たちがPSの集会で部屋の中に集まったときの雰囲気に、なんとなく似てます。
※本ページの情報は2023年9月時点のものです。