【ドラマ『くるり~誰が私と恋をした?~』あらすじ・レビュー】記憶喪失の原因と指輪の謎とは?

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2024年4月9日からTBSで火曜22:00に放送中のドラマ『くるり~誰が私と恋をした?~』。
生見愛瑠が記憶喪失の主人公を演じ、彼女を取り巻く3人の男性との関係性について描いていくラブコメミステリー作品。
このドラマの各話あらすじ・レビューを書いた記事です。

目次

元カレ、同僚の親友、一目惚れの男はどれも怪しいと思った 1話

あらすじ

何者かに追いかけられ、階段から落ちて記憶を失った緒方まこと(生見愛瑠)。
生活に支障のない知識はあるものの、自分の名前から仕事、人間関係までもすべてリセットされてしまった。そんな中、手元にあったのは男性ものの指輪。これを誰に渡そうとしていたのかわかれば、自分の過去も紐解くことができると考えた。

まず、お見舞いに来た同僚で友達だと自称する朝日結生(神尾楓珠)に指輪をはめてみるとピッタリ。ただ、彼に渡そうとしていた雰囲気は感じず。
そして、心配してメッセージを送ってきたフラワーショップの店主・西公太郎(瀬戸康史)に自分との関係を聞くと、元カレだとわかる。彼にも指輪をはめるとピッタリ。ただ“元カレ”なので、指輪を渡すはずもなく。

退院後、住んでた部屋や職場に行けば記憶が戻るかと思うが、まったく。それどころか、自分がイメージしていた以上に地味で質素に、そして波風立てずに生きていたことがわかる。まことはそんな過去の自分にショックを受ける。
そして、職場復帰したものの愛想笑いで嫌なことをやり過ごしてこのまま仕事を続けても楽しいのだろうか。ふと疑問に思ったまことは、飲料メーカーの営業として正社員で働いていたけれど、思い切って辞めてしまう。

その直後、一目惚れしたといきなり言い寄ってきた板垣律(宮世琉弥)と出会い……。

レビュー

TBSの火曜22時枠らしくラブストーリーもメインではあるんだろうけど、それよりもそれまで何らかの原因で抑えていた自分の殻を破って、本当にやりたいこと、本来の自分を取り戻していく物語に重点を置いているんじゃないかなという印象。
そのためのきっかけとして「記憶喪失」を利用したというのは、個人的には斬新な展開だと思った。

主人公が記憶喪失だから、物語のメインで描かれる人自身が一切合切、自分の情報を知らない。当然、見ている側もわからない。1話では仕事と同僚、元カレはわかったけど、家族や友人は不明。まこと自体の背景がミステリアスなのが興味深い。
しかも過去の自分は、なるべく目立たないようにしていて……。部屋もシンプル、というかほとんど何も持っていないし、彩りもない。
仕事も辞めてしまったから、まことがこれから思いがけない方向に変わっていって、部屋もどんどん個性的になっていくんじゃないかなと思うと今から楽しみ。

で、ストーリーのキーパーソンになっているまことの周りにいる3人の男。
公太郎はまことに対して「元カレ」と言っているけど、あくまで自称なので本当に元カレなのか怪しい。別れた理由も胡散臭かったし。
仲が良い同僚と言う朝日は、記憶喪失をきっかけに自分らしく生きようと服装を変えて出勤したまことへ、やめろと言ってきた人物。記憶をなくした彼女の今の生き方をあまり応援してないように見えるけど……。
そして、律は一目惚れしたと突然まことに接近したけど、彼女らしい女性との2ショット写真をスマホの待ち受け画面にしているし、前から知ってる?

「ラブコメミステリー」と銘打っているだけであって、謎が多くて、その点が回を増すごとに解き明かされるんだろうなという期待が高まった。

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まことが記憶喪失のきっかけになった人物はあの人?と思った 2話

あらすじ

記憶喪失の上、会社も辞めてしまった緒方まこと(生見愛瑠)。早速、転職活動をはじめるが自分の長所も短所もわからない始末。とりあえず、いろいろ会社を受けてみるものの、肝心なアピールポイントがイマイチで落ちてばかり。

見かねた朝日結生(神尾楓珠)がまことに会社を紹介する。とにかく仕事を決めたい彼女は受けてみるものの、心のどこかでこれがやりたいことなのか迷っていた。
その直後、SNS経由で連絡をとってきた板垣律(宮世琉弥)と会うことに。というのも、彼が経営しているアプリ制作会社に入社しないか誘われたから。朝日に紹介された会社へ行くつもりと断るも、それが自分を幸せにする仕事なのか問われ、さらに迷ってしまう。

決め手を探すため、自分が好きだったことを知りたいと思ったまこと。指輪をあげたいと思った人ならわかるかもと西公太郎(瀬戸康史)からアドバイスされ、指輪を買ったリングショップへ行くことに。
買ったときの様子をアクセサリー職人の立川杏璃(ともさかりえ)に聞いてみると、とても幸せそうだったと聞く。贈る相手はわからなかったものの、幸せだった自分にうれしくなる。それとともに、お店を訪れて杏璃がその幸せを提供するためにリングを作る姿に惹かれているのがわかったまこと。朝日の紹介も、律の誘いも断り、杏璃のリングショップで働くことに決める。

その矢先、ランニングをしていた公太郎が、まことが落ちた階段に朝日が佇んでいるのを見てしまい……。

レビュー

ちなみに、まことにはまだバレてないけど、律が偶然を装って彼女に近づいたことが発覚。わざわざ元カレ・公太郎の店について入念に調べ、しかもまことに渡すための花をそこで買うとか。今のところの情報だけみると単にストーカーなんだけど……。
朝日は、好きなように生きようとしているまことを邪魔するような提案が多いし、彼女が落ちた階段にいたのが怪しい。ひょっとして、回想シーンで出てくるまことを追いかけるうさぎの正体?
今のところいい人でしかない公太郎だけど、まことを見る目が兄のようにしか見えないんだけど、気のせい?
そして、まことはひょんなきっかけで母の連絡先を知ることになる。でも別の家族がいることがわかるし……。

こうやって、謎めいた点を書き出すと意外とネガティブな情報が多くて、ゾクッとする。でも、記憶がない自分を探すのに奮闘する姿に悲壮感がないし、前向きだからほっこりした気持ちで見られちゃうんだよね。

とはいえ、まこと周辺の未知なものが多すぎる。その真相がどう明らかにされるのか次の展開が気になる。

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事故の日、まことを追いかけた着ぐるみの中の人は律? 3話

あらすじ

リングショップで働き始めた緒方まこと(生見愛瑠)。ただ、指輪職人としての基礎作業ですらままならない。そんな自分の不器用さに辟易しながらも、早く一人前になりたくて過剰に作業を続ける。しかし、師匠でもある立川杏璃(ともさかりえ)から休めと言われてしまう。
それを西公太郎(瀬戸康史)に相談すると、上達するには休むのは当然。そして師匠をもっと観察すべきとアドバイスされる。

そんな最中、リングショップで働いていることを嗅ぎつけた板垣律(宮世琉弥)が店に押しかけてくる。そしてまことが持っていたリングを売り物だと勘違いしてつけてみるとピッタリ。
これでリングのサイズが同じなのが、公太郎、朝日結生(神尾楓珠)、律の3人になってしまいますます混乱する。

一方、仕事面は公太郎のアドバイスもあり、作業が上達してきたまこと。少し自信をつけた彼女は、意を決して母らしき人物の携帯番号に電話をかけてみるが、男の人が出て……。

記憶を取り戻したいと焦るまことだが、それは本人だけでなく公太郎、朝日、律も同じ。しかも彼女が事故にあった日、彼ら3人も現場の神社にいた。その上、花見客で賑わっていた中に律がうさぎの着ぐるみを着て、社員たちと盛り上がっていたことがわかり……。

レビュー

まことの記憶の進展はナシ。事故現場に行ってみても思い出せず、母親に電話をかけても出た人物が誰だかわからない。

ただ断片的に昔と同じ発言をするまことが描かれ、記憶喪失とはいえ、変わらない部分があることはわかった。
これまでのまことは、環境や人間関係の影響で本音や自分の奥底にある願望を抑えていた部分があった。でも記憶喪失のおかげで、いい意味で昔から自分の根本にあった軸(記憶喪失になる前の変わらない部分)を生かしながら、自分に合った生き方ができるようになりつつある姿を描いた回だったのかなと思った。

一方で、初回の回想から出てきていたまことを追いかけるうさぎ。これと同じ着ぐるみを律が着ていたことが発覚。
まことを執拗に調べてるし、ストーカー的だから事故の当日もそうやって彼女を追ったのか……⁉︎ という気がしないでもない。けれど、これはミスリードなのでは?
つまり、公太郎、朝日、律の誰もが怪しいと思わせているけど、誰もまことが階段の落ちる要因になっていない。3人以外の誰かがまことを追いかけていたのかも。

と言っておきながら、今回匂わせていたように、律がまことを追いかけたせいで階段から落ちた気もするし……。
うーん。予想が難しい。

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まことが突然一瞬の記憶を取り戻して……4話

あらすじ

緒方まこと(生見愛瑠)は母らしき人物へ電話をかけたときに出た相手が男の人でビックリするが、どうやら母の再婚相手で義父だったことがわかる。しかし、自分の誕生日である5月5日は家族で旅行すると聞いてしまい、母との距離を感じてしまう。

そんな中、リングショップへ頻繁に出入りするようになった板垣律(宮世琉弥)から5月5日にデートの誘いを受けるまこと。
本来なら連休中も出勤のはずだったが、まことの誕生日に気づき、立川杏璃(ともさかりえ)のはからいで休暇をもらえることに。

当初は困惑していたものの、律とのデートを意外にも楽しめたまこと。その日の最後、ディナーの誘いを受けたところで、彼に仕事のトラブルが。終わるまで待つというまこと。

その間に、まことの誕生日を祝いたいと思った西公太郎(瀬戸康史)、朝日結生(神尾楓珠)は彼女が投稿したインスタの写真から居場所を見つける。律も仕事が一段落し駆けつけると、まことのところに3人の男たちが集結することに。

そして、ひょんなことからまことは幼き日の母とのやり取りを一瞬思い出すが……。

レビュー

3人の男たちはお互いライバル心をむき出しにするものの、特に公太郎と律がバチバチ。公太郎がやっぱりまことの元カレじゃない、(気づいていたけど)律が彼女に一目惚れしたわけじゃないことはわかった。
今回は謎が解き明かされたようなシーンはそのくらいで、ミステリー的な進展はほぼなし。

でも、個人的にかなりグッと刺さった好きなシーンがあって。それは、アクセサリーの石の名前が答えられなかったまことに、杏璃が「普段からもっと美しいものに触れてみたら?」とアドバイスするところ。
というのも、これまで無難に波風立てず、無駄なく生きてきたまことが自分を変えていくために必要な言葉だと思ったから。

そんな新しい自分へ前進しつつあるまことなのに、一瞬だけ昔の記憶を思い出した。ということは、これからもっと思い出すことが増えていきそう。そうすると、昔の無難な自分を思い出して、変化した自分とせめぎ合うこともあるかもしれない。それで、せっかく変わりつつあるのに、昔の自分に引っ張られていってしまうまことが描かれるのではないか……というのが気がかり。

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母との再会で昔の緒方まことの性格が明らかになった? 5話

あらすじ

母らしき人からどっちが好きなのか問い詰められる子供の頃の断片的な記憶を思い出した緒方まこと(生見愛瑠)。自分の好きなものを選べない性格の原因はここにある予感がした彼女。

ちょうどその頃、母・百合子(坂井真紀)から実家の本の処分について聞かれていた。そこでどの本を処分するか判別するというのを言い訳にして実家へ帰ることにする。

実家の記憶がまったく少し不安に感じていたところが、朝日結生(神尾楓珠)が心配してついてくる。

そして実家に着いたまことは、記憶をなくしたことを告白できなかったが、唯一思い出した子供の頃の記憶を百合子に聞いてみる。

すると、実父と母の離婚間際、両親の結婚祝いをするためにまことがサプライズを仕掛けた。しかし、同じことを実父にしていたことに気づいた百合子が、どっちが好きなのか彼女に聞いてしまった。そして、つい「賢いね」と言ってしまったと教えてくれた。

朝日の手助けもあり、ついに記憶喪失をカミングアウト。

子供の頃に親に甘えられず、ずっといい子を演じてきたから好きも嫌いも主張できず、家もミニマリストのような味気ない生活をしていたのかとようやく納得がいくまこと。

その帰り道、まことが居眠りしている間に朝日がなぜか「これ以上思い出さないで」とつぶやく。

一方、西公太郎(瀬戸康史)は配達中、偶然に板垣律(宮世琉弥)と会う。そこで、オフィスグリーンの見積もりを頼まれ、彼のオフィスへ。

そこで、まことが転落した日に律と会社のメンバーがその現場近くの公園でお花見をしていたことがわかる。しかもそのとき律が、うさぎの着ぐるみを着ていたことも。

東京に戻ったまことは実家に戻るタイミングで、母の日がてらカーネーションを持たせてくれたことと、追加で応援アイテムをくれた公太郎へお礼に来る。すると「YUKA」という人物からメールが。そこには「隼人」という名前が書いてあり……。

レビュー

5話は、過去の緒方まことがどうしてそこまで効率的になったのかが明らかになった回。

しかも、記憶喪失前の自分を知るために実家に行ったら、思いがけずトラウマ体験を思い出してしまったという内容。
それが、親に甘えたかった幼少期にそれができず、ずっと賢くて要領がいいまことを演じなくてはいけなかった。そのせいで、記憶を失くす前は無駄なものが極端になかったということ。

母・百合子が幼い子供に「父と母どっちが好き?」と問うのも、しっかり者だからと放っておくのも違うよね。でもまことに愛情がなかったわけではなく、おそらくただ余裕がなかっただけ。

そんなことは、大人になった今のまことなら理解できるだろうけど、子供の頃の体験だからどうしても親の顔色を伺うのがクセになってしまっている。だからそれにとらわれて、ずっと母が思い描くまことを生きてきた。
でも、記憶喪失のおかげで自分がいいと思った道を歩み始める姿を描いているのがこのドラマのいいところだなと思う。

だから、(まことのように記憶喪失になるのは無理だけど)同じように幼少期の体験のせいでつらい思いをしている人にとって、ドラマとはいえ生き方は変えることができるという好例になっているのではないかと思っているのだけど……。
それは言い過ぎかな。

さて、ミステリー要素としてずっと謎であるまことが記憶喪失となった事故の原因の人物。朝日なのか律なのか、ずっと惑わされてるけど、今回も。

朝日は記憶が戻らないでほしいなんてつぶやくし、律はまことが事故に遭ったときの回想で出てくるうさぎの着ぐるみを着て、彼女の事故現場付近にいたことが公太郎の知るところとなるし。

ただ今のところ事故の犯人ではないと思われる公太郎は、まことにとって本当は一体どういう関係性があるのだろう? お兄さんっぽい目線で見てるけど、さすがに兄ってことはないから幼馴染? あとは実父の再婚相手の子供で昔から馴染みがあったとか?

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なぜ主人公がモブキャラとして生きていたのか? 6話

あらすじ

「YUKA」と名乗る人物からメッセージが届いた緒方まこと(生見愛瑠)。そこには「隼人」という名があり、指輪の相手なのではないかと思い始める。

YUKAは誰なのかと返信をしてみると、高校の同級生で親友と言われ、「隼人」は高校の同級生とのこと。記憶が戻るヒントになることと、「隼人」が気になり彼女と会うことにするまこと。

そして隣人・平野香絵(丸山礼)が勤めるカフェで待ち合わせをしていると、上山由佳(田鍋梨々花)がやってきた。

高校時代のことを無邪気に話したり、記憶喪失と聞いて心配したりする姿にすっかりまことはいい子だと判断し、偶然そこにいた朝日結生(神尾楓珠)も信用する。
しかし「隼人」の話をはぐらかし、発言の端々でどこかまことへ嫉妬するような言動が多いのを見て、香絵は訝しんでいた。

そして由佳から「隼人」も来る同窓会に誘われたまこと。
西公太郎(瀬戸康史)からは、記憶喪失のまま行くことを心配されるが、行くことを決める。

まことの勤め先に訪れた板垣律(宮世琉弥)も同窓会の話を聞く。
親友と名乗る由佳を怪しみ、彼女のインスタから人となりを調べて納得した彼は、ある作戦を思いつく。

朝日は香絵から、まことが同窓会へ行くことを止めるように頼まれる。渋っていると、せめて「隼人」を見つけて連絡を取るように言われるが……。

レビュー

記憶を取り戻すため、そして昔の自分を知るために母と会ったり、連絡を取ってきた同級生に会ったまこと。

母と会って、なぜ自分が効率を重視した生き方をしていたのかがわかった。今回は、なぜ無難で地味で目立たないモブキャラのように生きていたのか、その原因がわかった回。

それは由佳のせいだった。
高校のときに仲がよかったのは確か。でも隼人のせいで彼女が嫉妬深くなったのを感じたまこと。
そのため誰かに嫉妬されないように、目立たず誰にも踏み込まず、踏み込ませないように生きていたのだった。

そして由佳から高校時代の話を聞いて、もうこれ以上記憶のない頃の自分探しをしないと決めるまこと。

昔を知らないのは不安で仕方がないけど、記憶喪失のことは一旦置いておいて、今の自分を信じる……という彼女の姿に感心したんだよね。
記憶があるないにかかわらず、過去や起きてしまったことを深追いしないほうがこれまでの私の経験からしても、物事が進展するケースは多かった気がする。

くよくよ悩みそうになったときに、とにかく今を生きる、前を見るというまことの姿勢を思い出そうと思った。

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記憶喪失前の主人公を追いかけていたのは誰? 7話

あらすじ

リングショップのお客さんから、彼女のプレゼントのために特別なリングケースを作ってほしいと言われ、それを作ることになった緒方まこと(生見愛瑠)。

西公太郎(瀬戸康史)に相談し、店のドライフラワーを使わせてもらうことに。そして材料をリングショップに届けてもらうと、店主でまことの師匠でもある立川杏璃(ともさかりえ)が公太郎の幼なじみ・聡(浜中文一)の姉で昔からの知り合いだとわかる。

しかし、プロ選手として所属チームまで決まっていたバスケを諦めることになった事故の原因が聡にあったこともあり、彼とは疎遠になっている公太郎。

そのことを知り、まことは聡に会うように説得するが、自分と会うことで夢を諦めさせてしまった罪悪感でいっぱいになる聡の顔を見たくないと突っぱねる。

でもなんとか仲直りさせたいと思ったまことは、間近に迫っている聡の結婚式を利用し、あることを思いつく。

一方、朝日結生(神尾楓珠)はまこととの仲が進展しないことから飲みすぎて、その勢いで公太郎の元へ愚痴を言いに行ってしまう。
そこで彼から聞いたのが、板垣律(宮世琉弥)はまことに一目惚れしたのではなく、前から知っていたということ。

後日、律にそのことが事実なのか聞きに行くと、ただのいい人に負ける気がしないと宣戦布告される。
しかし、朝日もそれに負けじと「俺、全然いい人じゃないから」と宣言するが……。

レビュー

泣きながら律に追いかけられる夢を見たまことは、記憶喪失になる前から彼とは知り合いだったのではと疑いはじめる。
しかも彼女からそう聞かれて、律の顔が引きつっていた。
ってことは追いかけられて階段から落ちたまことの事故の原因って律?

ただ朝日が律に「全然いい人じゃない」って言ったのも
ちょっと気にはなっているんだよね。
自分の感情を持て余して追いかけていたとか?
でも「まことにはいい人でいたい」という朝日の言葉を信じたいけど。

あとは、ラストにまことが思い出した(公太郎から聞いてはいたけど)人に追いかけられる記憶。

これも事故直前に追いかけていた人と一緒?
となると律or朝日?

そして、公太郎はずっと元カレと嘘をついているみたいだけど、その理由も気になる。
まことも6話で「そういう目で見たことがない」と公太郎が言ったことを思い出していたから、元カレではないことは薄々気づいていると思うんだけど。

ちなみに今回個人的に見どころだと思ったのが、まことが指輪に執着しなくなったところ。6話で過去の自分を振り切ったことで、指輪のカレについても気持ちが離れていったみたい。

記憶をなくしても現れないカレよりも、記憶をなくしても自分を支えてくれる人がいる。それだけで幸せ。
その心持ちが素敵だなと思った。

ただ記憶が戻ったり、真相がわかったりしても今感じた幸せを取り消さないでほしいな。

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主人公を支えていたある人物がついていた嘘とは? 8話

あらすじ

緒方まこと(生見愛瑠)が西公太郎(瀬戸康史)にバスケを教わっている最中に昔、誰かに追いかけられて彼のフラワーショップへ駆け込んだことを突然思い出す。

その記憶で怯えるまことを心配して、一晩、公太郎が彼女を見守る。

その朝、まことの家の前を通った朝日結生(神尾楓珠)は、公太郎がそこから出てきたのを見て、彼を出し抜こうとまことをデートに誘う決意をする。

そして、まことは公太郎と朝日との関係に悩んでいた。

断片的に過去の記憶が蘇りつつあるため、もし完全に思い出したときに、お守りがわりにしている指輪の相手が誰だかわかってしまう。もし、今恋をしてしまって、記憶を取り戻したときに過去と今の恋愛観のギャップを感じてしまうのが怖いと思ったからだ。

平野香絵(丸山礼)に相談すると、それを含めて公太郎も朝日も板垣律(宮世琉弥)も、まことと向き合っているんだから、真剣に応えるべきだと言われてしまう。

そこで直近のデートに誘われた朝日と横浜のアートイベントへ行くことに。

一方、律は公太郎がまことの元カレではないことを確かめるために本人へ探りを入れていた。
しかし、彼女が事故に遭った日に現場の近くで花見をしていたことを公太郎に知られてしまう。
彼女に記憶を取り戻してほしいのか、それともほしくないのかと聞かれると「どっちも」と答える律。

そして、まことと朝日のデート現場を邪魔しに、横浜へ向かうが……。

レビュー

まことの記憶が戻ってほしくない口ぶりをしたり、他にも怪しい言動をしたりする朝日がいたので、彼の優しさは偽物? と思ったら、本物でした。

記憶を失ったまことに対してついていた嘘も、想定できる範囲のお話で。
最終話付近まで、物語の肝(まことの記憶喪失の原因となった人や指輪の相手)である謎に絡んでくるかな……と思っていたけど、8話で脱落となったのが、残念。

となると、怪しげな人物は律だけ。
しかも今回、記憶が戻ってほしいとも、ほしくないとも答えているし。
これまでの彼の言動を追っていると、一方的にまことを追いかけているような存在。まことが誰かから逃げている記憶が断片的に映し出されるけど、もし追っている人物が律だとすると過去に彼女とどんなトラブルがあったのか。
そのあたりが最終話にかけて描かれるのかな?
その点がこれからの展開で楽しみなところ。

前回の話でもそうだけど、個人的によかったなと思ったのが、まことの指輪への執着。
前回で吹っ切れたかと思ったけど、まだお守りにしていた。
でも、師匠でもある杏璃さん(ともさかりえ)が、リングにつけたチェーンを「鎖ではないからね」と言っていたセリフがよくて。

指輪はまことにとって過去の象徴。ここから離れることは、過去のしがらみから抜けることを意味すると思っていた。
だから、最後のシーンで指輪を家に置いていったのを見て、ようやく過去と決別できたんだと感じた。

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記憶が戻ってわかった本当の元カレとは? 9話

あらすじ

緒方まこと(生見愛瑠)が朝日結生(神尾楓珠)へ「友達」だと告げたと同時に、好きな人が頭に浮かんでいた。

そして会いに行ったのは西公太郎(瀬戸康史)。
バスケをしたときに、彼のシュートが決まったらデートをする約束をしていたのでそれを果たしたいと伝える。
でもどこかへ行きたいというよりも、話したいというまことのリクエストで街歩きをすることに。

楽しい時間を過ごしていると、まことが記憶喪失のことで通っているメンタルクリニックの井口先生(肥後克弘)が、クリニックのスタッフで妹でもある千草(片平なぎさ)を探しているという。若年性認知症で道に迷ったのだろうと心配する先生を放っておけず、一緒に手伝うことにするまことと公太郎。

すると花屋で花選びをしている千草を見つける。好きな人のための花を選んでいたのに財布を持ってくるのを忘れたという。まことと公太郎は彼女の花選びを手伝い、井口先生と合流すると、この花は先生との結婚記念日のための花だということがわかる。
これまで千草は先生の妹と説明を受けていたが、本当は彼の妻。認知症の影響で、兄だと勘違いをすることが多いらしい。たまに記憶が戻って夫と認識してくれることもあるのだとか。

そんな千草の様子を見て、忘れられる人の気持ちを痛感するまこと。指輪の人のことや周りの人のことを忘れてる自分に罪悪感が募ってしまい、胸が痛くなる。
それを支えようとする公太郎。そんな姿を見て、ますます彼に惹かれていっている自分に気づく。

その矢先、アートイベントで挫いた足の見舞いに来てほしいと、板垣律(宮世琉弥)から連絡が来る。
まことが見舞いに行くと、朝日を振ったことに気づかれる。そして、記憶をなくした状態で自分のことは判断しないでほしい、そしてきっと今の状況で大事な判断をしたら間違えてしまうとまで言われてしまう。

井口先生にそのことを相談すると、今感じている気持ちに嘘はないと背中を押される。

それを受けて、公太郎の元へ向かう。
しかし2人で気持ちを確かめ合った直後、まことは去年のクリスマスまでの記憶が戻ってしまう。すると、意外な事実がわかり……。

レビュー

公太郎が元カレではないというのは序盤から思っていたけど、彼とまことが仲良いのは感じていた。だから、この2人がくっつくのも不自然な流れではない。けどただ個人的には恋人というよりも公太郎がお兄さんっぽい雰囲気なんだよなぁ。

まあでもこの2人の距離が縮まるのはいいとして、元カレが律だったとは……。
そのことを忘れてしまったことにまことがショックだったのも納得。しかも次回のあらすじを読んだら、律は初対面のふりをして登場したから、その気遣いに胸が痛くなったって。それもわかる。

ん……?
いや、ちょっと待って!

なんでまことが記憶喪失だからって初対面のフリをしなくてはいけないの?
しかも、まことの記憶が戻ったのは去年のクリスマスまで。年末から春までの記憶はまだわからないわけだし。
そしてストーカーの犯人も不明。
というか、年末から春までに律と別れて、それを不服に思う彼がまことを追っていたのでは?
そして転落事故につながったのかも。

あと公太郎が「そういうつもりで見たことないから」とまことを振るようなシーンがあったけど。
これはまことが律と別れた後、公太郎が気になりだしての出来事だったとか?

ただ井口先生の「記憶が嘘をつく」という言葉も少し引っかかっている。
そもそも律が元カレだったら、元カレと嘘をついている公太郎に堂々と「自分が元カレ」と宣言してもよかったと思うんだけど。
だからひょっとすると、思い出したまことの記憶が嘘をついているのかも?

ひとまず思い出したことでまことはいろいろ混乱しているけど、記憶をなくして本来の自分を取り戻して感じた公太郎への想いは本物なはず。だから、そのまま突き進んでほしいな。
と思いつつ、律がどんな風にまことを揺さぶるのかも気になる。

そして、結局、指輪の相手は誰なんだろう?
(公太郎だと思うんだけど)

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主人公の自称・元カレが嘘をついた理由とは? 10話

あらすじ

板垣律(宮世琉弥)が元カレだったことを思い出す緒方まこと(生見愛瑠)。
そこから過去のことをあれこれ思い出すものの、律とのクリスマスの記憶までで、今年に入ってからはわからない。

しばらくして、西公太郎(瀬戸康史)が家に来る。というのも、会っていたときに記憶が戻ったことに驚いて慌てて帰ったため、心配していたからだ。しかし公太郎が元カレではないことを思い出してしまったため、素っ気なく対応してしまう。

昔の彼が律だとわかったものの、記憶喪失後に惹かれたのは公太郎。
しかも、メンタルクリニックの井口先生(肥後克弘)の妻で認知症の千草(片平なぎさ)を見て、忘れられることの悲しさを知っているだけに記憶喪失後に初対面のふりをした律の気持ちを考えて胸が痛くなるまこと。

この状態に、まことは悩み続け、偶然家の前で会った平野香絵(丸山礼)に相談する。
すると、律に会えば自分の正直な気持ちがわかるのではないかとアドバイスされる。

それに従い、記憶が戻ったことを伏せて律に会ってみると、元カレであることを隠して無邪気に振る舞う彼へ余計に罪悪感を抱いてしまう。

後日、公太郎の店の前にいたまことは彼に声をかけられて、試作のドライフラワーのキャンドルを見せてもらえることに。
そこで元カレは嘘だったと告白される。

嘘をついたのは、以前、誰かにつけられていると傘のない中びしょ濡れで店に駆け込んできたまことに、傘だけ貸し、一人で帰らせてしまったことを後悔していたからだった。
しかもその1週間後にまことは事故に遭った。もしかしたら、店に駆け込んできたときにつけていた奴が犯人かもしれない……。元カレと言っておいたほうが彼女を守れるかもしれないとの思いだった。

その頃、律は自分の会社の買収話を受けるかどうか悩んでいた。
そのこともあって、落ち込み気味だった律はまことの空気を感じて自分を鼓舞しようと、彼女の家の前に佇んでいた。
そこへまことが帰宅し、鉢合わせる。

朝日結生(神尾楓珠)から律の会社の話を聞いていたこともあり、まことは情に流されて、記憶が戻って律と付き合っていたことを思い出したと言ってしまう。
そして律が抱きついてきたところを公太郎に見られて動揺するまこと。

律のことを忘れていた後ろめたさもあり、彼と再び付き合おうとするが……。

レビュー

まことは律とよりを戻そうとしているけど、なんか怪しい。

まことはまだ今年の記憶を思い出せていない。
今は職場であるリングショップで、キーアイテムとなった男性用のリングをいつ作ったのか聞いたら、3月と言われていて。だから、まだその時の記憶が謎のまま。
だけどまことは、元カレだからきっとあのリングは律に作ったものなんだろうと思い込んでいる。
ただ、律は今年に入ってからの話をなぜかしない。
だから、この時期に彼と何かあったと思うんだけど。

あと以前もあったけど、公太郎の記憶として、彼と並んでブランコに乗っているまことが「寂しくて、いいにおい」と言ったシーンが登場。
そして今回は新たな記憶として、かつてまことが公太郎を誘いかけた瞬間のシーンも出てきた。

やっぱり、今年は律と別れ、公太郎と急接近したということなのでは?
それで、律に追いかけられていたと思うんだけど……。

だから、今回の最後の場面でまことの事故現場に朝日がいたけど、これは事故の犯人と思わせるミスリードだよね?
会社のエレベーターでまことと一緒になるだけで舞い上がっていた朝日だから、突き落としたり、追いかけて階段まで追いやったり……なんてことはしないと思うんだけど。
(それで、犯人だったら劇中のまことと一緒で、世の中の人が信用できなくなりそう)

何にせよ、バラの花に興味がないのに、好きな素振りを見せてしまうなど、律に合わせて付き合っていた昔の自分から離れて、今、自分が好きだと思う人とまことには幸せになってほしい。

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主人公が指輪を贈りたかった本当の相手とは? 11話(最終回)

あらすじ

緒方まこと(生見愛瑠)は記憶をなくす前に付き合っていた板垣律(宮世琉弥)と再び付き合いはじめる。それを西公太郎(瀬戸康史)に伝え、距離を置くことに。

ただ律とデートをしてもどこかしっくりこない。彼に合わせていた過去の自分に戻ったようでただ違和感しかないまこと。

そんな中、公太郎は律の会社へ発注を受けた植物を届けていた。まことが事故に遭った日に律も近くで花見をしていたことを知っていたが、彼の会社の社員からその少し前に律が彼女と別れていたことを知る。
だから事故より少し前にまことを追いかけていた人物は律かと思い、なぜ花見のときに着ぐるみだったのか問い詰めたら、意外な返事が返ってきた。

一方、朝日結生(神尾楓珠)はまことが記憶を取り戻したとはいえ、結局同じ場所にいても違うものを見ていたことに少しショックを受けていた。
そしてまだ事故のことを思い出していないと聞き、彼女が落ちた神社の階段へ。
すると偶然公太郎が通りかかる。再びまことが事故に遭う前に追いかけられていたことがよぎり、朝日へ声をかける。
以前、雨の日に自分の店の近くへ来たことがあるかと聞くと……。

レビュー

最終回は、まことが事故に遭う羽目になった原因の人物は誰かということ、指輪をあげる予定だった人物は誰か、そして結局まことの恋人になったのは誰かという3点の結論が出たところがポイント。

事故の原因の人物は意外だったけれど、理由がその人物らしい理由でホッとした。
あとの2点は、予想通り。

今回、個人的に印象的だったのは「寂しくて、いいにおい」の理由がわかったこと。

それは、春が訪れる前に別れたお父さんと会うときによく嗅いでいた沈丁花の香り。
会っても別れがすぐやってきてしまうから「寂しくて、いいにおい」だったんだ。

それを公太郎がつくってくれたドライフラワーのキャンドルのにおいで思い出す。

そして、春先に香ってくる沈丁花が「寂しくて、いいにおい」と語り合ったのは記憶喪失前にまことが公太郎と共有した出来事。

それは律とは違い、彼には心を開いていた証でもあるエピソード。
そのことにまことは気づいたから記憶をなくす前も公太郎に惹かれていたんじゃないかな。

そして、記憶喪失後にあんなに親身になっていた彼だから、きっと同じ時期にまことのことが気になっていたに違いない。
けど一度彼女を振ったのは自分にはある程度本音で付き合ってくれているのに、本心に向き合って正直に生きていないまことに苛立っていたからなのかなと思う。
記憶をなくしたあともときどき冷たく突き放したり、彼女にアドバイスしていたのもそのせいなんだと思う。

まことが記憶をなくしてようやく自分に向き合えるようになったというのは皮肉だけど、だからこそ公太郎はより彼女に惹かれたのかなとも思う。

ところで、ストーリー全体で記憶をなくしたのをいいことに主人公に深く関わる3人が嘘をついていたところが気になった。
公太郎はまことを守るためだから善意、朝日は誤解を解きたかったからまぁわかる、律だけよりを戻したいって理由だから卑怯だなとは思うけど、不快な嘘ではなかったのが救われたかな。

あと嘘は物語のスパイスだとして、全話通して肝だと思ったポイントは、まことの変化。
振り返ると、前職を辞め、好きな仕事をはじめ、人の顔色をいちいち見なくなった。モノトーンの服しか着てなかったのに、見える色も増えてその分着る服もカラフルになった。
そんなまことの変化が見ていて愛おしく感じた。そしてそんなまことの姿に私も背中を押された。

作品概要

タイトル:『くるり~誰が私と恋をした?~』
放送日:2024年4月9日〜
放送時間:22:00〜22:57
キャスト:生見愛瑠、瀬戸康史、神尾楓珠、宮世琉弥、丸山礼、高野洸、村方乃々佳、肥後克広、ともさかりえ、片平なぎさ、坂井真紀
脚本:吉澤智子
演出:松木彩、大内舞子
主題歌:Da-iCE「I wonder
動画配信:U-NEXTで見る
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/darekoi_tbs/

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