2008年10月17日〜12月19日の金曜22:00よりTBSで放送していたドラマ『流星の絆』。
東野圭吾原作、二宮和也、錦戸亮、戸田恵梨香が主人公の3兄妹を演じ、両親殺しの犯人を探すミステリー。
この作品のあらすじ・レビューを書いた記事です。
両親殺しの時効間際。あることがきっかけで詐欺にハマっていく3兄弟だが……1話
あらすじ
横須賀で「アリアケ」という洋食屋を営んでいた両親のもと、屈託なく育った幼少期の有明功一、泰輔、静奈。
1993年の11月。獅子座流星群が見られるという夜。
親に内緒で家を抜け出し、流星群を見に行った功一ら3兄妹。
途中まで雨が降っていたのに、流星群がピークのときには雨は止み、雲も晴れて無事流れ星を見ることができた。
家に着き、自転車を裏に置こうとしたときに何者かが勝手口から出てくるのを目撃した泰輔。
一方、親に見つからないようにこっそり家に入る功一は、両親が何者かに刺され殺されていたのを見てしまう。
それから15年。
両親が亡くなったあとに3兄妹が入った施設の園長だった林譲二(尾美としのり)。彼が店主を務めるカレー店「ジョージクルーニー」に住み込みで働いている功一(二宮和也)。
兄とは別に、泰輔(錦戸亮)と静奈(戸田恵梨香)は2人暮らしをしながら、なんとか生きてきた。
そんな中、両親の事件が時効間際なこともあり、当時捜査していた刑事の柏原康孝(三浦友和)が功一のもとを訪ねてくる。
泰輔と静奈の様子を聞かれ、警察を信用していない功一は咄嗟に彼らとは連絡を取っていないと嘘をつく。
その頃、静奈は30万円かかる通販講座で資格を取得すればエステティシャンになれるとスカウトされる。上司や同僚との関係に悩んでいたこともあり、仕事を辞め、それに賭けることにする。
しかし、実際に届いたのは偽物の教材で、声を掛けてきた女とは連絡が取れなくなっていた。
静奈が詐欺に遭ったと知った功一は、執念で詐欺師の女を特定する。しかし直接お金を取り返すのは難しい。ただ女は騙し取った金をホストに貢いでいた。それを知った功一は、そのホストから騙された30万円を取り返そうと計画。
女が肩入れしているホスト・西郷一矢(杉浦太陽)の店に泰輔を送り込み、一矢が静奈に惚れるよう工作するが……。
レビュー
両親殺しの犯人を見つけ復讐を果たしたいという3兄妹の重めの主目的とは対照的に、彼らが犯す犯罪(詐欺)をとてもポップに描いているのが特徴。
詐欺師に騙された金をその女が貢いでいるホストから騙し取ろうとするシーンは、劇中劇になっている。しかもちゃんと「カナダからの手紙」というタイトルまでついていた。
その字面を見るとあの歌しか浮かばないんだけど(笑)。
劇中劇では、静奈をホストの一矢に惚れさせ、彼女は「体が弱いから東京の空気が合わずカナダへ行く」と言い出す。現地でバイトをして30万円が貯まったら大好きな刺繍の学校へ行く……という別れの「カナダからの手紙」で彼を同情させて金を騙し取る。
しかも、一矢が好きな少女漫画の登場人物そっくりに、静奈にロリータコーデをさせて、うさぎを飼っているいかにも“かわいい”キャラに仕立てている演出がニクい。
あとカレー店が「ジョージクルーニー」で泰輔が働くDVD店が「トミリージョージ」とか店名がいちいち気になる。
カレー店に来ているのにハヤシライスにこだわりすぎる戸神行成(要潤)とか。
カレーにチョコレートはマストだと力説する柏原とか。
そんな細部ばかりが気になって、本題の両親殺しの犯人探しがどこかへ行ってしまいそうなんだけど、物語ははじまったばかり。
ここから功一たちは真犯人の情報をどう集めていくのだろうか。
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アリアケ3兄妹が次に詐欺のターゲットにした相手とは? 2話(「傘と似顔絵と謎の女」)
あらすじ
1993年11月。夜中に家を抜け出し、流星を見て帰ると両親が殺されているのを目撃した有明功一。
夜明け前に刑事の柏原康孝(三浦友和)たちが来てその時の状況を聞かれる。
弟の有明泰輔はしばらくショックで話すこともできなかったが、夜明け頃にようやく口を開いた。
そして語ったのは家の勝手口に行ったときに何者かが家から出てくるのを目撃していたという話。それをもとに似顔絵を描いてもらう。
柏原から何か異変がないか聞かれた功一は、バケツの中に家族のものではない傘を見つける。
そのバケツは父が仕事で使っているものらしく、以前、泰輔が傘を入れたらこっぴどく怒られたことがあるから家族が入れるはずがないと話す。
そのうちに、家に帰る前からずっと寝ていた静奈が起きてくる。
当初はショックが強いから両親のことは事故に遭ったと嘘をつこうとしていた功一。
しかしあまりにも健気に両親の無事を願う静奈が不憫に思えて、本当のことを話してしまう。
そして2008年。
前の会社を辞めたもののなかなか再就職できない静奈(戸田恵梨香)。
上司だった高山久伸(桐谷健太)のパワハラが原因なのに、しつこくメールを送ってくることにうんざりしていた。
以前、ホストを使って詐欺師から金を奪ったように、高山を騙して復讐したいと泰輔(錦戸亮)とともに功一(二宮和也)へ協力を求める。しかし彼は真面目に就職して幸せになることが最大の復讐と言って取り合わない。
その直後、功一のもとに柏原たちが訪ねてくる。
似顔絵の男らしき人物が見つかったから弟の泰輔に連絡を取ってほしいと頼みに来たのだ。
「犯人への復讐は自分たちで」と決めている功一は、警察の前では兄妹に連絡を取ってないと言っているため、泰輔の居場所は絶対に伝えなかった。
その代わり、警察の情報を利用して自分たちで犯人を探すことに。
しかし、人違いだった。
ますます警察へ不信感を募らせる3兄妹。
その憂さ晴らしもあり、レストランに入ると静奈が紙ナプキンを折って何かを作ろうとする。
両親が殺害された日に、何も知らずに彼らの無事を祈ってツルを折っていたときの姿と重なった功一。
すると席のそばにいた客が偶然投資の話をしているのを耳にする。
高山を騙そうと泰輔と静奈から提案されたのは、彼がハマっている投資をネタにしようということだった。
子供の頃のように、静奈に何の不安もなく幸せになってほしいと願った功一は、この出来事から高山を詐欺のターゲットにしようと決めるのだが……。
レビュー
2008年の話をしていたと思ったら、突然、過去の回想になっているシーンが結構多くて。
今になって見返すと案外見づらいと思いつつ、この現在と過去の行き来があるから功一たちの両親殺しの無念さと恨み、復讐したい気持ちが濃く感じられる。
一方で、そんなドロっとした気持ちを誤魔化すように1話同様、コントのような劇中劇がある。
それは前回と同じく功一たちが詐欺を働く相手とのやり取りを表現。
ちなみに今回のタイトルは「妄想係長 高山久伸」。
投資が好きなこと、静奈が好みのタイプであることを利用して、パワハラの復讐をするために詐欺をする。
てっきり高山は、静奈が完全なタイプなのかと思ったら、彼女をもっと派手にしたタイプが好みだったよう。
彼が入院中、派手で性格キツめな看護師になりすました静奈に完全にハマってたし。
しかも、彼女とコミュニケーションを取っているのを妄想して勝手に喜んでるし……。
高山がアリアケ3(功一が名付けた兄妹のユニット名。静奈からはダサいと一刀両断された)の作戦にどうハマっていくのかは次回。
それにしても、功一がステッカーつくるほどアリアケ3のネーミングを気に入っていたとは……。
ちなみに、突然「ジョージクルーニー」の客として謎の女(中島美嘉)が登場。
謎に功一のことを「アクセル」と呼ぶし、謎にご飯食べてお金払わず帰っちゃうし。
でも、この女がこれからどんな働きをするのか楽しみだな。
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アリアケ3の両親が事件前に背負っていたものとは? 3話(「親の秘密とハヤシの王子様」)
あらすじ
有明功一(二宮和也)の妹・静奈(戸田恵梨香)は、会社を辞める原因のひとつとなったパワハラ上司・高山久伸(桐谷健太)への復讐を決める。
そして功一の弟、静奈の兄である泰輔(錦戸亮)が高山への交渉役として協力。功一のシナリオに基づき、高山を投資話で騙して150万を奪うことに成功した。
その矢先、無断で馬券を売り買いしていた喫茶店が最近摘発され、そこに功一の父が客として出入りしていたことがわかる。そのことを刑事の柏原康孝(三浦友和)と萩村(設楽統)が功一へ伝えに来た。
そこまで父が賭博にハマっていたことは知らなかったが、ギャンブル好きだったことは泰輔が学校の作文に書くほどだったので覚えていた功一。
そのギャンブルのせいで背負った借金の返済金200万円が事件当日になくなっていた。
だから、父に金を貸した相手が奪いに来て殺されたのではないかというのが柏原の見立てだった。
ただ、金を貸した相手がわざわざ借りている奴を殺すかどうか。その点に功一は疑問を感じていた。
刑事の話を泰輔と静奈に打ち明けると、静奈は父がギャンブル好きだったことをほとんど覚えていないという。
その話を聞き、静奈へ秘密にしていることへ後ろめたさを感じる功一。それは彼女が母親の連れ子で父とは血の繋がりがないこと、つまり自分と泰輔とは本当の兄弟ではないこと。功一は、刑事などから聞かされる前にいい加減、静奈に打ち明けようと焦り出す。
そんな中、功一が働くカレー店「ジョージクルーニー」へハヤシライスをよく注文しに来ていた戸神行成(要潤)の関係者が、彼が酔っ払って無礼を働いたことを謝りに来る。
聞けば行成は洋食チェーン「とがみ亭」の御曹司で、今度オープンする新店舗の経営を任されているとのこと。
しかも「とがみ亭」の売りであるハヤシライスは店舗により味が違うこと。これが行成の父である創業者のこだわりで、行成は新店舗の味を決めるためにハヤシライスを食べ歩いていたらしい。
そして後日、行成が「ジョージクルーニー」へ再びやってくる。功一が以前、実家が洋食屋だったという話をしたことを覚えていて、その店に行きたがるが……。
レビュー
これまで両親と3兄妹の話は、静奈と功一たちが本当の兄妹でないことだけはさり気なく語られていたが、事件の話がメインだった。
しかし、3話目にしてようやく両親のバックグラウンドが明かされた。
父はギャンブル好きで、母は功一の父と結婚する前、ホステスをしていた。そして静奈はそこの客との間にできた子供だということ。
そして洋食屋は繁盛していたのに、借金があったことも。
しかし、両親が借金を抱えていたことが本当に事件につながることなのか……?
一方、アリアケ3として3兄妹が行う詐欺。
どうやら今度のターゲットは戸神行成らしい。
詐欺のストーリーのタイトルは「ダイヤと嘘とやさしいレストラン」。
今までのターゲットはエステ資格の詐欺師と高山で、その理由も静奈の復讐だった。
けれど、なぜ今回は行成がターゲット?
静奈とは接点のない人物だから、復讐も何もない。ということは、理由は功一にある?
彼は父の店を継いで洋食屋をやるのが夢だった。でも、父が殺されたせいでその夢はついえてしまった。
それなのに、自分が叶えたかった夢を何の苦労もなくのうのうとやってのけている功一。
彼への嫉妬のように見えたけど、果たして。
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両親殺しの日に裏口から出てきた男の正体は? 4話(「真犯人と繋がった記憶」)
あらすじ
有明功一(二宮和也)は弟の泰輔(錦戸亮)と静奈(戸田恵梨香)に次のターゲットは、洋食チェーン「とがみ亭」の御曹司・戸神行成(要潤)にしたと打ち明ける。
今まで、静奈が不快な思いをした相手に詐欺をしていたが、今回は無関係。
そのことを泰輔に問われると、功一からはただ気に入らないという曖昧な返事しか返ってこなかったが、実行することに。
まず行成が来る予定のワインの試飲会に静奈と泰輔が潜入し、わざと彼に聞こえるように、静奈が「とがみ亭」の評判を口にする。
すると、まんまと引っかかって、具体的にどこがいけなかったのか静奈に直接聞く行成。
それをきっかけに、静奈は「とがみ亭」で行成と会う約束を取り付ける。
功一いわく、行成が静奈を気に入れば、彼女にプレゼントするための指輪を買うことになる。
そのときに、功一に惚れ込んでるサギ(中島美嘉)に頼んで作ってもらった偽ダイヤのリングを1000万円で売りつけようという作戦だ。
そんな中、3兄妹の児童養護施設の園長だった林譲二(尾美としのり)が経営するキャバクラで働いていたちえみ(徳永えり)と再会する3兄妹。
聞くと、中学のときの先生と不倫をしていて妊娠してしまったらしい。
しかも、そのことを先生に打ち明けても認知もしないし、お金も払わないと言われたとのこと。
行成の件で詐欺は最後にする予定だったが、ちえみのために静奈が先生を騙して80万円を奪うことに成功する。
その矢先、再び「とがみ亭」で行成と会う約束をした静奈。
この日は新店舗に出す料理の試食も兼ねているらしい。
コースの最後に出てきたのはハヤシライス。行成が力を入れ、本店の元祖の味を再現したもの。
それを食べた静奈は涙が止まらなくなる。
その静奈を店の外に停めた車の中で待つ功一と泰輔。
すると店の近くに来たタクシーから戸神政行(柄本明)が出てきて「とがみ亭」へ入っていく。
泰輔は政行を見るなり、両親が殺された日に裏口から出てきた男だと言い出し……。
レビュー
どうやら功一は、自分は両親を殺され、夢だった洋食屋を継ぐこともできないのに、何店舗も出店している洋食チェーンの息子で今度は新しい店を任されている行成にイラッとして詐欺計画を練った様子。
まさかそんなちょっとした嫉妬心から行成と関わるうちに、あの日、家の裏口から出て行った男とつながるとは……。
そして静奈が、「とがみ亭」元祖のハヤシライスを食べて泣いているということは、きっと「アリアケ」の味と同じということ。
ということは、あの日、政行は「アリアケ」のレシピを盗みに入って両親を殺した?
その真相は次回以降になると思うけど、これでようやく両親殺しの事件に進展があった。
途中で関係ない詐欺(その劇中劇のタイトルは『さわやか オン・ザ・ラン』)を行っているけど、これも今後、何かアリアケ3(3兄妹)たちに影響が出てくるものなのか?
それから、刑事の柏原(三浦友和)と萩村(設楽統)に、功一は泰輔と会っていないと言い張っているけど、頻繁に会っていることがバレた。
でもなぜ会っていることを隠しているのかは、謎。
そのあたりも両親殺しの真相がわかるにつれ、明らかにされるのか?
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両親を殺したのは人気洋食チェーンの創業者? 5話(「仇の息子と盗まれた味」)
あらすじ
洋食チェーンの御曹司・戸神行成(要潤)から詐欺を働こうと、彼の実家の店「とがみ亭」の試食会に参加した静奈(戸田恵梨香)。
そこで出されたハヤシライスが実家の「アリアケ」の味そっくりで泣いてしまう。
一方、店の外に停めた車の中で静奈を待っていた有明功一(二宮和也)と弟の泰輔(錦戸亮)。
「とがみ亭」に入っていく行成の父・戸神政行(柄本明)を目にすると、泰輔が両親殺しの日に家の裏口から出てきた男だと言い出す。
兄妹たちは静奈と泰輔の部屋ですべてを整理する。
あの日裏口から出てきた男が政行だとしたら、「アリアケ」の味を盗むために家に入り、両親を殺したのではないか……。
ただ「アリアケ」のハヤシライスのレシピは功一が持っている。だから政行が家に入ったことや店の味を盗んだ証拠がない。
そこで、功一は行成への詐欺の作戦を変更。静奈が行成に接近し、政行があの日、家に入った証拠を見つけることにする。
ただ、「とがみ亭」のハヤシライスがあまりにも「アリアケ」の味に似ていたという静奈の言葉が引っかかっていた功一。
父のレシピを再び見直し、隠し味として取り寄せていた醤油にたどり着く。
その店を訪ねると、ちょうど、両親の事件の直後に「とがみ亭」と取り引きが始まったということを教えてもらう。
一方、静奈は行成に接近するものの、彼の純粋すぎる人柄に詐欺を働くことに罪悪感を覚える。
そんな中、刑事の柏原(三浦友和)が泰輔に接近。
当時容疑者候補となっていた静奈の本当の父・矢崎(国広富之)と会うことになっていると言い出し、この事件を解決したら引退するつもりだと言われる。
その頃、柏原の相棒でもある刑事・萩村(設楽統)が功一のカレー屋を訪れ、柏原は長年心臓病を抱えていた息子を亡くしたばかりだったことを伝える。
そのこともあり、きっと功一たちを自分の息子と重ね合わせていること。だからあの事件を解決しようとしつこく追っているのではないかと言われる。
その出来事のせいか、功一も泰輔も犯人探しは警察に頼ってもいいんじゃないかと思い始めるが……。
レビュー
なんで刑事の前では頑なに功一と泰輔は仲悪いふりをしていたのかと思ったら、警察は信用できない。そして兄妹で犯人を探し、復讐するという決意が固かったからだということに気づいた。
いよいよ犯人らしき男を見つけた安堵なのか、たまたま柏原や萩村からの心揺れる言葉があったからなのか、その決意が緩みはじめた。けれど、これが今後の展開にどう反映されるのか。
そして、静奈が昔友達の家で食べたハヤシライスに似てる(友達の家というのは嘘だけど)なんて行成に言ったせいで、政行が勘づいて新店舗で昔本店で出していたハヤシライスを提供することにストップをかける。
やっぱり「アリアケ」の味を盗んだ?
でもそれだけだと両親を殺す動機は薄いけど……。
そんな風に急展開を迎えた今回の5話。だから「妄想係長 高山久伸は二度死ぬ」が入ってきたのはおもしろかったけど、突然すぎて話の流れとしては浮いていた気が……。
これがあったのは、静奈が演じてた役の女をそろそろ消したいこと(カナダへの留学)と、さらにお金をせしめようとしたからだと思うけど。
でももしかして、これも何かの伏線だったりして?
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両親殺しの容疑者と殺された父との接点は? 6話(「本当の兄妹じゃない」)
あらすじ
有明功一(二宮和也)のもとに、静奈(戸田恵梨香)の本当の父親である矢崎(国広富之)の妻・秀子(麻生祐未)が訪ねてくる。
かつて矢崎と不倫をしていた有明塔子(りょう)との間にできた子が静奈。
金に困っていた有明家と静奈のこともあり、生前、塔子はなんとか矢崎へお金を工面してもらっていた。
それに気づいていた秀子。
そしてきっと金を無心されるのが嫌になった矢崎が功一たちの両親を殺したに違いないと功一へ伝えにきたのだ。
また子供がいなかった夫婦だからなのか、何もしてこなかった矢崎の罪滅ぼしをしたいのか、静奈に会いたがる秀子。
功一は断るが、静奈に本当の兄妹ではないことを伝えなければならない期限が迫っていることをひしひしと感じる。
弟の泰輔(錦戸亮)にそのことを伝え、その日の夜に静奈に言うことを決めるが、これまでの関係性がなくなってしまうかもしれないと思うとなかなか言えない。
言おうと思ったが静奈が眠ってしまったためこの日は言えず。
翌朝、言えなかったことでお互い静奈を妹としてではなく女として意識しているのではないかと言い合い、揉めてしまう。
それを静奈に目撃され、本当の兄妹でないことがバレてしまう。
そのせいで功一、泰輔も静奈とは気まずい状態に。
そうなったのも、秀子のせいだと考えた泰輔は、単独で秀子を騙そうと宝石商のふりをして彼女に近づく。
しかし、すぐに泰輔だと気づかれてしまう。
静奈のためにと思ったお金を功一に拒否されたため、泰輔から静奈に渡してほしいと言われるが彼も断り、秀子との一悶着に一区切りつく。
秀子の一件があった間、泰輔は刑事から矢崎が裏口の男かどうか顔の確認を頼まれたが当然違う。
これまでのことでわかっていることは裏口から出てきたのは、「とがみ亭」創業者の戸神政行(柄本明)。
そして、やはり「とがみ亭」は「アリアケ」のハヤシライスの味をパクっていること。
ただ、父・有明幸博(寺島進)と政行の接点がずっとわからなかった。
すると、功一と泰輔は、幸博がかつて出入りしていたノミ屋(無断で馬券を購入できるところ)だった喫茶店の店主から話を聞く。
それは、幸博と政行がトラブルを起こしていたことだった。
喫茶店とはいえ、食事を提供していない店のため出前は取り放題だった。
そこで当時の「とがみ亭」のハヤシライスを注文した幸博。
政行が食べ終わった皿を取りに店に入ると、「まずくて食えねえ」と幸博に文句をつけたことがあった。
きっとそれがきっかけだと考えた功一。
両親が殺された日、「アリアケ」のレシピを教えてもらうつもりで政行は有明家に行った。
偶然にもその日、幸博と塔子は金をかき集めていた。
政行も当時金に困っていて、その金に目がくらみ両親を殺害。
逃走したのではないかと類推する。
ただ、それだけで警察に協力を求めても、きっとちゃんと捜査してくれない。
ちゃんと動いてもらうことを考えた功一は、政行が車を降りたときにある仕掛けをして……。
レビュー
アリアケ3(有明3兄妹)が詐欺を働くときには必ず劇中劇になるわけだけど、今回、泰輔単独で行った「黒革のハンドバッグ」はほぼ一瞬で終わった。
今回は、静奈に本当の兄妹ではないことがバレ、父と政行の接点が見えてきた重要な回。
だから、劇中劇で途中お茶を濁されても……と思っていたから、ちょうどいい塩梅でよかった。
しかし、兄妹でないことがわかりショックだった静奈が結構早めにそのことを受け止めていたのが気になった。
それは多分、戸神行成(要潤)に話を聞いてもらったから。
昔食べた思い出のハヤシライスをどこで食べたかという具体的なエピソードをしゃべったときのこと。
そのときに友達の話をするふりをして、兄たちと自分の思い出を語ることができた。
ここできっと気持ちの整理ができたんだと思う。
ただそれと同時にそんな自分の話を受け止めてくれる行成に静奈はますます惹かれていっている。
行成の父・政行がもしかしたら両親殺しの犯人かもしれないのに。
その複雑な気持ちに静奈はどう折り合いをつけていくのか。
そして政行を本格的に捕まえるために功一たちはある仕掛けをしたけど、その結果がどうなるのか。
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静奈は本当に両親殺しの容疑者の息子に惚れているのか? 7話(「妹は仇の息子に惚れてるよ」)
あらすじ
有明功一(二宮和也)は両親殺しの犯人として戸神政行(柄本明)を匂わせるために、弟の泰輔(錦戸亮)、妹の静奈(戸田恵梨香)がそれぞれ持っていた父の形見の時計と母の口紅を利用することを思いつく。
時計はわざと政行の駐車した車付近に置き、指紋を採取しようと計画。
まんまと引っかかって、政行は拾い上げた時計を手にとって見るものの、元に戻す。
それを回収する功一。
今度は、口紅のキャップだけを「とがみ亭」が創業時に使っていた店舗であり、今は古本屋の天井に隠す。
その古本屋から盗んだ本、キャップのない口紅と政行の指紋がついた時計をサギ(中島美嘉)が裏ルートを使って持ってきた盗難車の中に置く。
そして警察が見つけやすそうな場所に車を放置する功一と泰輔。
すると、すぐに警察が動いた。
萩村(設楽統)がメインで捜査していたが、途中で柏原(三浦友和)が加わり、盗難車にあった時計から「アリアケ」の周年を祝う刻印を見つける。
口紅のキャップも古本屋の天井から発見。
萩村、柏原ともに、有明夫妻の殺しとつながるかもしれないと予感する。
それで事情を聞くために功一や泰輔にも声がかかる。
そのことがあり警察が動いていることがわかった功一は、政行が捕まるようダメ押しするため、静奈を使い戸神の家に功一が持っていた父のレシピノートを置くことを画策する。
その静奈は、戸神行成(要潤)と会うたびに彼に惹かれていく。
兄たちに悟られまいとするも、気づいた泰輔からも仇の息子だと注意されてしまい悩む。
しかももう騙し続けるには限界が来ていて、いつもと同じようにカナダへの留学と言って去るリミットが迫っていた。
そんなときに、功一からレシピノートを戸神家に隠すミッションを伝えられる。
それはカナダへの留学を行成に話す日のことだった。
別れ話からうまく家に行く約束ができるかは微妙なところ。
ましてや行成への思いが一番高ぶっているときなのに、別れ話と兄からの計画と自分の気持ちとは相反することをしなければならないことで葛藤する静奈は……。
レビュー
「アリアケ」の跡地に戸神行成と行った静奈。
たまたま「アリアケ」のあとに入った店も潰れていて、2人で店内に忍び込むんだよね。
それで家族で過ごした日々を思い出す。
そのあと思い立って、兄妹で見に行った流れ星の見える高台に行成を連れて行き、空を見上げていると、あの日は見えなかった流れ星を見てしまった。
友達のエピソードと嘘をついて自分の思い出に付き合ってくれる行成の何の疑いもない姿に静奈は惚れ込むんだけど。
でも全部かつて家族が幸せだったころの思い出をたどっていっている。
結局静奈の幸せは両親が殺される前の頃、そしてその思い出には行成ではなく兄たちがいるという皮肉。
だから、行成が好きというのも、かつての楽しくて幸せだった日々を思い出させてくれた存在だから……という気がする。
けれど、戸神家に潜入したら、静奈が本当に行成のことが好きだと感じる核心をつく感情が見えてくるのかもしれない。
そして、行成の父・政行を両親殺しの犯人だとあたりをつけ、どうにか警察にマークしてもらおうと彼の痕跡をわざとつくった功一。
今回は警察が政行に目をつけただけで終わってしまったけど、本当に彼が両親殺しに関係しているのか?
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なぜ詐欺を仕掛けた相手に正体がバレた? 8話(「妹の正体と追いつめられた真犯人」)
あらすじ
有明功一(二宮和也)の妹・静奈(戸田恵梨香)は功一が計画した通り、両親殺しの犯人とにらんだ戸神政行(柄本明)の息子・行成(要潤)をそそのかし、戸神家へ招待されることになった。
そこでやることは、功一が父の形見として持っていたレシピノートを戸神家へ隠すこと。
というのも、もし警察が捜索に入ったときに両親と政行のつながりを示すためだ。
ただ行成を騙すために近づいたとはいえ、彼の純粋さに静奈が惹かれていることに気づいている功一と弟の泰輔(錦戸亮)。
だから静奈がレシピノートをうまく隠せるのか心配する。
しかし行成よりも2人の兄との絆を優先した静奈は、戸神家に行き、レシピノートを隠すと約束する。
その間、功一が両親の形見の時計や口紅を利用して政行へ疑いの目が向くよう仕掛けていたが、それに誘導されるように警察が彼を取り調べていた。
そして刑事の柏原(三浦友和)が直接家に乗り込もうとするが、その日は静奈が戸神家に招待され、ノートを隠す日。
柏原の動きに気づいた功一と泰輔がなんとかうまく彼を別の場所に呼び寄せ、静奈も無事、レシピノートを戸神家に隠すことができた。
しかし、意外な人物がそのノートの存在に気づいてしまい……。
レビュー
いよいよ警察に政行が両親殺しの犯人だと確信させるものを仕掛けていく大事な場面。
静奈は仕掛けることに失敗はしていないんだけど、ちょっとした気の緩みからある人物にノートの存在や静奈が詐欺師だということに気づかれてしまう。
ちなみにかつて静奈が勤めていた会社のパワハラ上司の高山(桐谷健太)が再び登場。
静奈がやった彼への詐欺は完結しているのになんでだろうと思っていたら、レシピノートに気づいた人物に静奈の正体がバレてしまうきっかけとなる人物だった。
だから再登板だったわけね。
あとこの回で印象的だったのは、功一と柏原のカレー屋でのやり取り。
時効寸前で突然うまい具合に犯人があぶり出されていることに誰かが仕組んでいるのではないかと功一にぼやく柏原。
まるでそれが功一が仕組んでいるのを見透かしているように。
そして、もし犯人が見つかったらどうしたいのか功一に尋ねるんだけど、「殺しますね」と即答。
質問にかぶせ気味で答えた功一と、彼の憎しみと悲しみの両方が混じった表情が彼の15年の苦悩を表現しているようで胸に刺さった。
でもなぜ柏原がそんなことを聞いたのか。
最終回までこの話を見ていると、その謎がよくわかる。
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犯人を追い詰める功一の前に現れた思わぬ協力者とは? 9話(「時効当日最後の告白」)
あらすじ
有明功一(二宮和也)の作戦通り、妹・静奈(戸田恵梨香)は両親殺しの犯人だと疑っている戸神政行(柄本明)の家に「アリアケ」のレシピノートを隠すことに成功した。
……と思っていたが違った。
詐欺がきっかけとはいえ、本当に好きだった政行の息子・戸神行成(要潤)とはもう会わないつもりでいた静奈。
ノートを隠したあとに何度も連絡をもらったせいで、気持ちが揺れて彼と会うことに。
しかし待ち合わせていた場所で、偶然かつての上司で以前大金を騙し取った高山(桐谷健太)に見つかってしまう。しかも詐欺を働いたときに演じていた「志穂」という名で静奈に絡んできた。
ちょうどその場に現れた行成に助けられたが、彼に名乗っていた「サオリ」も偽名だとバレてしまう。
それどころか、行成は戸神家の書庫に隠したレシピノートの存在を知っていた。
内容を見たら、ハヤシライスは「とがみ亭」のものとほぼ同じ。だからかつて静奈が友達のエピソードとして話したハヤシライスは「アリアケ」のものだとわかる。
しかも静奈が家に来たときに、それを喜んだ行成の母が彼女に香水をプレゼントした。静奈はその場で香水を試したのだが、そのにおいがノートに移っていたせいで、彼女がわざと書庫に隠したことに気づいてしまう。
しかし、なぜ静奈がそんなことをしたのか行成が疑問に思っていたところで、静奈は「志穂」でも「サオリ」でもなく自分は「アリアケ」の娘の「有明静奈」であることを告白してしまう。
それらの事情を静奈から聞いた功一と弟の泰輔(錦戸亮)は両親殺しの事件の時効まで1週間しかないのに手詰まりになり焦る。
そしてこの事件の捜査を続ける刑事・柏原(三浦友和)を頼ることに。
彼に相談したところ、最後の切り札として現場に残されていた「傘」があると。
それを聞き、行成に正体を明かす功一。
そして、現場に残された証拠があることを伝えて政行を信じている行成を揺さぶる。
しかし行成が語ったのは、事件のあったころ、天体観測を趣味にしていた行成と政行の観測ノートの話。
事件があった日、功一たちは兄妹で流星を見に行っていたが、行成も見ていて彼の記録は観測ノートに残っていた。しかし政行の記録は空欄。
だから、あの日の父にアリバイがないことを功一たちに説明する行成。
そして彼らに意外な提案をする。
レビュー
いよいよ、事件の容疑者を追い詰めるクライマックスの回。
行成はもっと鈍感なキャラクターかと思いきや、父を逮捕に導くために静奈がレシピノートを隠したことを知ってしまう。しかも彼女が自分に偽名を使っていたことにも気づいた。
それなら静奈が自分を騙すために近づいたことも勘づきそうなものだけど、そこはまあドラマだし……。目をつぶろう。
ただまさか行成が功一たちに協力するとは。
父のことは信じているけれど、レシピ自体は「アリアケ」のものを「とがみ亭」が真似しているとわかったから、行成にしてみれば、有明の両親を殺してレシビを奪った可能性を捨てきれなかったはず。
でもこういうとき普通なら功一たちと手を組んでわざわざ政行を追及するなんてことしないよね。
しかも警察に渡っていたら両親殺しの証拠だと思われるレシピノートが自分の手元にあるわけだし。
たぶん、父が殺人犯ではないことを証明したかったんだと思う。
でも、本来なら何もしなくてもいいのに功一たちにフェアなことをしちゃう行成は本当にいい人なんだろうな。
そしてこの回のラストは、行成も功一もびっくりな展開に。
ということは、最終回の10話はどんな結末に?
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犯人はあいつじゃない!? 新たな証拠でわかった意外な真実とは? 最終話
あらすじ
「とがみ亭」の創設者である戸神政行(柄本明)が両親殺しの犯人とにらんだ有明功一(二宮和也)。
事件時効の日に政行の息子・行成(要潤)に協力してもらい、弟・泰輔(錦戸亮)と政行を追い詰める。
すると、犯人しか知らないはずの傘が現場にあったことを自白した政行。
しかし、両親殺しについては否定する。
妹・静奈(戸田恵梨香)、刑事の柏原(三浦友和)と萩村(設楽統)にも立ち会ってもらい、当時の説明をしてもらう。
するとあの日、ギャンブルの借金返済に追われた功一たちの父は、お金を集めるため「アリアケ」のハヤシライスのレシピを政行に売る予定だった。
お金を振り込み、「アリアケ」へレシピを取りに行った政行は先客が家に入っていったところを目撃。
その人が家を出たのを見届けてから、中に入った。
するとすでに功一たちの両親が殺されていた。
政行は気が動転し、そこにあったレシピのコピーを奪って家を出た。
泰輔に目撃されたのはこの瞬間だった。
そしてしばらくして気付いたのは、持ってきた傘が違ったこと。
おそらく、殺人犯が置いていった傘と間違えてしまったのだろう。
政行はレシピを買った後ろめたさから通報できずにいたが、いつ警察から声がかかってもいいよう傘を持っていたという。
しかも犯人の指紋がついていると思われる持ち手の部分は触れないようにずっと保管していた。
実際にその傘を持ってきて、先端と傘をまとめる部分が自分のものとは違うと主張。
すると萩村から、当時残されていた傘は指紋が拭き取られていた。
だから間違えて持っていったならば、政行が出ていったあとに犯人が戻ってきて指紋を拭き取っていなければいけない。
でも、それができるような人物は今のところ容疑者として浮かび上がっていない。だから話に矛盾があると指摘。
しかし納得がいかない政行。
すると政行が間違えて持ってきたという傘のある特徴を見つけ、功一が犯人につながる重要な真実に気づいてしまう。
レビュー
両親殺しの真相を知ると、なんとも虚しさしか残らない。
結局、悪事を犯すとずっとその後ろめたさから幸せになれないということがわかる物語。
人のレシピを買って自身のお店の看板メニューにしてしまった政行もしかり、詐欺を働き復讐をし続けた功一もしかり。
一方、良い人すぎるのが行成。
詐欺をきっかけに静奈と知り合ったとはいえ、彼女に一途に惹かれるし。
しかも両親殺しの犯人探しに協力してくれるとか。どんだけ人が良いんだよ……。
とはいえ、功一だってわざわざダークサイドに落ちたかったわけではない。
両親が殺された悲しみと苦しみをぐっと抑えて、弟と妹を守ると決めて生きてきたはずだから。
そのせいで吐き出せなかった鬱憤をぶつけたくて犯人探しに躍起になっていた。
しかしいざ真相がわかると、犯人を殺したいという憎しみの感情を遥かに越える悲しみがあって……。
こんな人間臭い功一にたまらなく惹かれるんだよね。
だから、人としては行成のができているのは重々承知。
でも、この一筋縄にいかない功一のキャラクターがあったからこの物語に感情移入してしまうんだろうなぁ。
ストーリー全体として、ミステリーだから犯人が解き明かされていく爽快感がある。
でもそれだけではなくて劇中劇のコミカルパートはもちろん、3兄妹、特に功一の深い憎しみと悲しみと兄妹愛が繊細に描かれていた。
だから、放送から時間が経っているにもかかわらず、色褪せない作品なんだと納得した。
作品概要
タイトル:『流星の絆』
放送日:2008年10月17日〜12月19日
放送時間:22:00〜22:54
放送局:TBS
出演:二宮和也、錦戸亮、戸田恵梨香、要潤、尾美としのり、設楽統(バナナマン)、桐谷健太、杉浦太陽、柄本明、りょう、寺島進、三浦友和
原作:東野圭吾
脚本:宮藤官九郎
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/ryuseinokizuna/