クリスマスといえば思い出すのがドラマ『29歳のクリスマス』。
特に最終回のこのシーンが一番好き。
典子(山口智子)と彩(松下由樹)の親友・新谷(柳葉敏郎)がずっと惚れてた女(水野真紀)とようやく結ばれ、田舎に帰る日。典子は彩から新谷の子供ができ、新谷には打ち明けずそのまま産むと言われ、戸惑い、おろすように説得する。
でも彩の決意は固く、お節介でなかなか人の意志になびく人間ではない典子でさえ彩の真剣味に圧倒されてしまう。
彩が産みたいと思った決め手が「世界一優しい人の子を産みたい」という夢があったから。
両親の不仲をみて育ってきたからそれが昔からの夢だったという。それをようやく掴めたから絶対に産みたいと。
これまでの物語を追っていた人ならわかるけど、世界をかけまわる憧れのアーティストと不倫し、彼のことは好きでも奥さんのいる相手と付き合っていることで後ろめたさをずっと感じて、別れようかずっと悩んでいた彩。
そのせいでどこか自信なさ気で、なんだかんだすぐに典子に頼ってしまう。
そんな弱々しかった彩がこの決断により、強くたくましく、そして自信をつけた姿をみせるのだ。
それも、典子を圧倒するほど。
この「女の変化」が非常に魅力的で、CSなどで再放送するたびこのシーンをみたくなる。
物語もときどき時代を感じるけど、テーマ自体は普遍的なもので、しかも恋愛模様を描くように見えて実は友情と30歳を前にした男女の成長と決断を描いていることも、とても好感が持てる。
何度見てもおもしろいけど、やっぱりクリスマス時期にみるのが醍醐味かも。
▼主題歌はこちら。懐かしいよね。