『いだてん』6話。
いよいよ嘉納治五郎先生(役所広司)たちが、ストックホルムオリンピックの出場選手として、四三(中村勘九郎)たちを選出。
早速、四三を呼んで、代表にした旨を伝えるが四三は出ませんと言い出す。
この間の大会が世界規模の大会の予選会だとは知らなかったし、そもそも「オリンピックって何ですか?」と言うし、「世界を相手に日本の代表として……」と説明されると、「負けたら切腹ですか!?」と言う始末。
とはいえ、世界記録を22分も縮めた四三をオリンピックに出したいという治五郎たちの思いは強く、なんとか説得すると、「出る」と言う四三。
しかし、金に困った治五郎が「自費で行けばプレッシャーを感じないはず」という無茶苦茶な理由をつけて四三にオリンピック出場の費用を負担させようとする。拒否するかと思いきや、素直な四三はそれを飲んでしまい……。
で、金を工面しようと田舎に1年ぶり(!)に手紙を出すのだけれど。
この手紙をポストに出すシーンがおもしろい。
そもそもマラソンに夢中になってる四三にいい顔してない家族にお金の話を書いた手紙なものだから、出そうか出すまいか、ポストの投函口に手紙を突っ込みながら躊躇してる。
そこへ足袋屋の播磨屋の息子が四三を驚かせようとカンチョーをされて、うっかり投函してしまう。
同じようなシーン、実は『あまちゃん』にもあるのよね。
8話で、春子(小泉今日子)が正宗(尾美としのり)宛に離婚話を綴った手紙を、四三と同じようにポストの投函口に入れながら躊躇している。
そこへタクシーを運転して北三陸に来ていた正宗が登場。春子を見つけてクラクションを鳴らしたせいで、その音にビックリして思わず投函してしまうシーン。
※たぶん↓に収録されてるはず。
思わぬところで『あまちゃん』との繋がりを感じて、見つけたときにちょっと興奮した次第(とはいえ、『あまちゃん』を意識して入れたんじゃなくて、宮藤さんかスタッフさんがこういうシーンが好きだから入れただけだとは思うけど)。
で、今回はチラッともうひとりの主人公・田畑政治(阿部サダヲ)も登場。
1960年。タクシーのラジオから流れてきた志ん生(ビートたけし)の落語を聴いて、「富久」で主人公が行き来する場所はもともと浅草〜日本橋だったのに、志ん生が浅草〜芝と距離をのばしたことに対して文句を言ってた田畑。
その最中、タクシーの運転手が「芝」でも見かけたと言っていた足袋で走る謎のおじさんが渋滞する車の中を駆け抜けていく姿を「日本橋」で目撃し……。
そして四三のパートではストックホルムのマラソンを想定して、「浅草」、「日本橋」を経由して「芝」を走るシーンが描かれる。
だから1960年の足袋で走るおじさんは
「もしかして四三?」
と思っちゃうけど、果たして……。
まさか、四三がメインのタイミングで田畑が出てくるとは思わなかったのだけど、もしかしたらこれからちょいちょい出てきて、四三・志ん生・田畑の3つの視点から「オリムピック噺」が語られるのかも?
そして新たに、1960年に足袋で走るおじさん(1話でも登場してたけど)という謎を残した6話だったけど、これが今後どうなるのか。
※ガイドをチェックすれば、出てくるのが多い登場人物とその関係性、行き来する時代を整理できるかも。
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