ついにスヤ(綾瀬はるか)と結婚することになった四三(中村勘九郎)を描いた『いだてん』15話。
スヤのことは好き、だけど、4年後のベルリンオリンピック出場のために練習しなきゃならないと思っているから、正直、結婚どころではない四三。
けど、スヤと一緒にいるため、養子として婿を迎えたい池部幾江(大竹しのぶ)、
池部家から畑を借りている金栗家としては、四三が結婚して池部家に行ってもらえればすべて丸く収まると思ってる実次(中村獅童)、
そして、四三が相手だから再婚したいスヤ。
そんな3人の思惑が渦巻く中、結局、スヤの思いに折れて、冒頭言った通り、四三は結局、結婚。
だけどね、スヤが幾江を大切に思うのと同じくらい、四三もベルリンに向ける熱意は強いもの。
だから(もちろん、まだ四三が大学生ということもあったけど)、結果として彼ら夫婦が選んだのは別居婚。
そういえば同じクドカン脚本の『あまちゃん』も、夫婦・カップルの新しいスタイルを提示していた。
夏ばっぱと忠兵衛さんは、遠洋漁業のせいだけど、基本別居婚。
春子と正宗さんは、離婚はしたけど、娘を支えるため芸能事務所で一緒に働く(ラストに再婚したけど)。
鈴鹿ひろ美と荒巻太一は、ずっと籍を入れないスタイル(こちらも結局結婚したけど)。
漁協組合のかつ枝さんと組合長は元夫婦で今も夫婦同然で暮らしているけど、離婚している。
入籍して、同居していることだけが夫婦ではないし、同居しているからって婚姻が必要かって言われるとそうではない。
今回の四三とスヤの別居婚も、史実にあったことなんだろうし、次週の予告を観ると、スエが上京しているシーンがあったから、もしかしたら、東京で同居をスタートさせるのかもしれない。
でも、カップルのスタイルなんて人それぞれ。
だけど、そこをドラマの中で主張するのも白々しい。
クドカンのドラマは、カップル間ならではの生き方・過ごし方を強調することなんてせず、物語の中にすーっと溶け込むように描くのが本当に巧い。
それを『いだてん』の中でも垣間見ることが出来て、15話は大満足だった。
しかし、四三は結婚したことを誰にも報告できてないけど……。
これもまた16話以降にオチがありそうで楽しみだな。
・【2019年の大河ドラマ】サブタイトルが物語を占う?『いだてん』
・『木更津キャッツアイ』で言うところの「裏」……いや、「表」?『いだてん』40話
・五りん(神木隆之介)の父の死の謎が明かされた『いだてん』39話
・17話のベルリン五輪中止による四三の苦しみはこの回の伏線だった!?『いだてん』37話
・裏テーマは「女子スポーツ」!?『いだてん』26話
・とにかくうるさい田畑政治編がとにかく楽しみになってきた『いだてん』25話
・五りん(神木隆之介)のおばあちゃんが誰だかわかった『いだてん』23話
・「女子スポーツ」に四三(中村勘九郎)が注目し出してからおもしろくなってきた『いだてん』
・『いだてん』で池波志乃が演じているのは実の祖母役!
・美川(勝地涼)はやっぱり前髪クネ男だった?『いだてん』18話
・スヤ(綾瀬はるか)が嫁だといつになったらバレるのか?『いだてん』17話
・ようやく田畑政治がつながった『いだてん』16話
・「フラ」があるって何?『いだてん』14話
・『いだてん』の五りん(神木隆之介)はひょっとしてあの人の子?
・熊本時代から東京時代、そしてオリンピックまでがつながった『いだてん』12話
・四三(中村勘九郎)がプレッシャーで「押し花」するって何!?『いだてん』11話
・サブタイトルが「真夏の夜の夢」だった意味。『いだてん』10話
・『モテキ』な『いだてん』9話
・『いだてん』8話は、本当は両想いの四三の失恋回?
・「今までで一番わかりやすかった」と言われそうな、四三と弥彦の友情の始まりを描いた『いだてん』7話
・『あまちゃん』の春子さんのポストシーン再びだった『いだてん』6話
・5話までは壮大な『木更津キャッツアイ』だった!?『いだてん』
・『陸王』かと思った『いだてん』4話
・『いだてん』のこれまでの時の流れを整理してみた
・【2019年の大河ドラマ】実は古今亭志ん生が主役?『タイガー&ドラゴン』な『いだてん』