佐々木倫子の漫画が原作のドラマ『Heaven?~ご苦楽レストラン~』がスタートした。
フレンチレストラン「ロワン・ディシー」のオーナー・黒須仮名子(石原さとみ)と、彼女の核心を突くことを言うようにみせて、超いい加減な言動に振り回される従業員たちがお店をなんとか切り盛りしていく姿を描く物語。
1話は、仮名子が従業員をスカウトし、ようやくお店をオープンさせるまでを描いた。
しかし、そのスカウトの方法は独特。入ったお店でピンときた人を仮名子の中で優秀だと思った順からとにかく声をかけ、お店に来た人が採用。
だから、仮名子がフレンチレストランで食事をしていて愛想が悪いと怒られてた伊賀(福士蒼汰)を「最高のおもてなしができるのはあなたしかいない」と目をキラキラさせながら口説き落とすけど、いざ伊賀がオープン準備のお店にやってくると覚えてない(ってことは、あんだけ良いこと言っておいて、伊賀の優先順位はそれほど高くなかったという……)。
そして人選も奇想天外。
ソムリエの山縣(岸部一徳)は趣味でワインの知識があるだけという元銀行員、店長の堤(勝村政信)の前職は牛丼屋の店長、コミドランの川合(志尊淳)だって元美容師というフレンチレストランとは程遠い経歴。結局、経験者は伊賀、シェフの小澤(段田安則)とコックだけ。
そして、オープン2日前なのにトイレはできてないし、オープニングパーティ当日になってエアコンが使えないことがわかるし、挙句、パーティの開催日を4/31と印刷して招待状を送ってたことがわかるし。それに細々したオープン準備をぜーんぶ従業員に任せてる仮名子。
いい加減というか、仮名子本人が言う通り、「美味しいものが食べられて、お酒をたらふく飲める店」がほしくて作った「趣味」の店だから、彼女にとっては実務なんてどーでもいいってわけ。
伊賀くんたち従業員の目線から見れば腹が立つ。だからみんな「オーナーのことはあてにしない」と諦観を決め込むくらい。
なんだけど、「気取ってるくせに全然美味しくない店、客が自分たちだけだとわかった途端態度が悪くなる店、口コミ評価ばっかり気にする店なんて潰れてしまえ!」と飲食店への愚痴を吐き出す姿は共感するし、試食用にシェフが作った料理をうれしそうに食べたり、ワインを美味しそうに飲んで、「幸せー!」って表情してる仮名子を見ると、もうあの傍若無人な態度なんてどうでもよくなるんだよね。
そして、この表情を見ちゃうと、食欲、飲酒欲が掻き立てられる。
で、結論としてはとにかくワインが飲みたくなるドラマ。
『吉田類の酒場放浪記』並にお酒を飲みながら見たくなるドラマな気がするけど……。
それは言い過ぎか。
ちなみに原作はこちら。