演出もキャラもオチも味わい深く可笑しい!満島ひかり出演の『シリーズ江戸川乱歩短編集Ⅱ』「何者」

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満島ひかりが登場する江戸川乱歩の映像化シリーズが結構好きで。

その割には見逃してばかりなんだけど、この間地上波で再放送していた『シリーズ江戸川乱歩短編集Ⅱ』「何者」を視聴できた。

もともとは2016年にBSプレミアムで放送された作品。

ストーリーは、私(平井“ファラオ”光)が、友人・甲田(池上 幸平)の誘いもあって、結城(若葉竜也)の家に夏休み滞在しているところからはじまる。

そこには、結城の許嫁・志摩子(真野恵里菜)も同居していて、どうやら甲田と結城と彼女は三角関係らしい。

ある日、結城が皆とは別の部屋にいると何者かに発砲される事件が起きる。そして、それを発見したのが甲田。

次第に証拠品が見つかり、甲田が犯人として逮捕されるが、結城の家に出入りしていた推理好きの赤井(と名乗っているがある捜査のため偽名を使っている明智小五郎)は、犯人が甲田かどうか疑っており……。

原作に忠実に描いているというだけあって、演じきれなそうなところは小説の一部がナレーションとして使われるんだけど、そうだとしてもユニークな演出のおかげで、独特な世界観を放ってる。

まず、明智小五郎って男性のはずなのに、女性である満島ひかりが演じているし、今回は、髪もセミロングで長いし、服装もどことなく女性っぽい。

メイクも青い斑点のようなものを目の周りに施したりしてこれまたユニーク。

そして、この話の主人公「私」もなぜか終始半ズボンにセーラー服。

志摩子もなぜか太眉。

だからって別にオチがあるわけではない。

けど、オシャレでもあるし、出オチ感もあるし、とにかく可笑しい。

あと、推理もの好きの結城と明智小五郎の2人が、推理小説や探偵が関わった事件なり、そこでの推察なりを書籍を前に雑談するシーンがあって。

そこで結城が、目の前にいるのが明智と知らず(そのときは赤井と名乗っているから当然なんだけど)、「明智小五郎はどうも理屈っぽい」と批判する。でも、肝心の明智はそんな発言に怒ることもなく、その場ではスルーし、一番結城にダメージを与えられそうなところで自分の正体を暴露するという。

そんな意地の悪さも可笑しい。

結末は、ちょっと意外性のあるもの。

日頃(おそらく敢えて)奇行が多いし、のらりくらりととぼけた人間である明智。

そんな彼が犯人本人に誰が事件を犯したか、そしてその推理を伝えるんだけど、とぼけた感じで言ってる割にはその実、彼に言い逃れできないよう計算し尽くして伝えていて……。

その緻密なところも可笑しい。

とにかく30分のドラマなのに、乙でしたイキで趣深いドラマなんだよね。

シリーズ・江戸川乱歩短編集 – NHK

 

これまでので見逃したのもあるから一挙放送やらないかしら?あと新作もそろそろほしいところです。

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