『いだてん』がはじまったころ、
金栗四三(中村勘九郎)と田畑政治(阿部サダヲ)が主役だったはずなのに
突如、古今亭志ん生(ビートたけし)が登場して
「あれれ?主役は誰?」
と思った人は多かったはず。
しかも、
「『志ん生の富久は絶品』と満州から
手紙を送ってきた父の死の真相を知りたい」と
志ん生の弟子になった
五りん(神木隆之介)の話が出てきて
ますます
「あれ?主役は一体誰なの?」
と思った人、おまっとさんでした。
第39回にして、ようやくこの真相が……!
おそらく、
『いだてん』の時間の流れで
終戦を描きたいタイミングと
五りんの父の死の真相を重ねたかったから、
冒頭に、「富久は絶品」の話をして伏線をはり、
この第39回で回収したかったのだろうなぁと
思うのだけど。
でも、金栗四三と田畑政治の話に集中したかった人には
もしかしたら志ん生と五りんのエピソードは
余計なパートだと思っていたのかしら?
でも、「余計」なんてまったく思えないほど、
今回のエピソードは感動的で、
第2部の最終話にふさわしいくらい、
いや、『いだてん』全体で見ても
トップ3に入るくらいの神回。
もう五りんの父が誰だか数話前からバレているけれど、
一応言っておくと、
金栗四三の弟子の小松(仲野太賀)。
東京五輪のマラソン出場を目指して
四三と上京するも、
東京五輪の話がなくなった上に、
兵として満州に行くことになってしまう。
そして、のちに志ん生が満州へ慰問に訪れる。
そこで披露したのが「富久」。
この演目を見たマラソンランナー・小松は、
そこでの走り方、そして距離が
と〜ってもぬるく感じて、
志ん生に四三の走法をわざわざ教える
という愚行を……。
当然、志ん生は怒りますわな。
そこが最初の出会い。
その後、現地で終戦を迎え、
命からがら生き延びた小松と
志ん生たちが偶然、再会。
紆余曲折あって、飲みながら語らい
そして翌日は寄席。
そこで志ん生が披露したのが
再びの「富久」。
しかも、その内容が、
小松が志ん生にアドバイスした通りの
アレンジで……。
それを見ていた小松がうれしくなって、
思わず、外で走り出しちゃって、
ついでに
「志ん生の富久は絶品」って書いた
はがきをポストに投函しちゃって!
ここまではよかった。
よかったんだけど……。
この先は、どこかで実際に作品を
見たほうがいいかも。
伏線回収の割には、
感情を揺さぶられる骨太なストーリーに
なっているのでぜひ。
でもね、ひとつだけ気になったのは、
この回、主人公・田畑政治が出てきたの、
志ん生の妻・りん(夏帆)が
マリー(薬師丸ひろ子)のバーで占っていたときに
乱入してきたシーンのみ!
えー!主人公のはずなのにー!
でも、小松と志ん生のエピソードが
感動したから、
ま、いっか。
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