『MIU404』を見ていたら、プロデューサー、監督、脚本が同じ『アンナチュラル』を復習しておきたくなったので、1話ずつレビューしてみます。というわけで、今回は2話!
2話のあらすじ
検視官が忙しいとのことで、西武蔵野署の要請で、練炭で一家4人が心中したと思われる現場へ、三澄ミコト(石原さとみ)、東海林(市川実日子)、久部(窪田正孝)の3人が向かう。
詳しく調べてみると自殺した4人は一家ではなく、みんな赤の他人。自殺サイトで知り合ったという。
そしてUDIラボへ持ち帰った死体を解剖してミコトが死因を調べたところ、ひとりの女の子だけ練炭自殺ではありえない凍死と判明。そして、胃の中を調べると「ユキオトコノイ タスケテ花」と書かれた紙が出てくる。
それを見て、てっきり「花」という名前だと思い、捜索願を出していた両親と遺体を対面させると、「自分の子ではない」という。
西武蔵野署の刑事の毛利(大倉孝二)と向島(吉田ウーロン太)が調べたところ、その子はミケ(菅野莉央)と名乗り、ガールズバーで時々働いていたという。
警察は、死体があった家の住人である佐藤正一が冷凍倉庫を持つ水産会社に勤めていたことから、被疑者死亡で事件を幕引きしようとする。
しかし、ミコトの見立てでは、一酸化炭素の濃度の関係から、練炭自殺がこの家で行われることを知った誰かが、すでに凍死した死体をここに運び込み、集団自殺に見せかけた可能性があること、つまり、ミケを殺した犯人は別にいると主張するが……。
人物相関図

2話の人物相関図。
1話で、ミコトが一家心中に巻き込まれたところで終わったのですが、それを連想するような心中事件が今回の題材。
それをフックに、ミコトの身に起こった一家心中事件の詳細が語られます。
ミコト自身は、そもそも雨宮総合病院の院長夫妻の長女。
事件では、この夫妻と長男が亡くなり、その後生き残った長女は院長の妹夫妻が引き取って「三澄」となったというので、義母の夏代はミコトにとって本当は叔母さんってこと。
ここまでは、久部を送り込んだ週刊ジャーナルの末次さん(ここで、やっと週刊誌の編集者だと正体がわかるんだけど)の情報。
それを聞いて、わざわざミコトの論文(自分が被害者とはおそらく伏せて一家心中事件の論文を書いてる!)まで読んだ久部が、「女の子だけ別室に居たということは、母親が本当は生き残らせたかったに違いない!」なんて類推するんだけど、現実は……。
ミケちゃんの真犯人を探したせいで、その犯人に水没させられそうになったときに、これもまた自分が被害者とは言わずに、ミコトが告白しています。
そのせいか、花の遺体だと思ってかけつけた両親が、遺体は別人なのがわかって教育を巡って口論するシーン。
これを見たミコトは、一緒に目撃していた所長と2人きりになったときに
「あれは心配でしょうか? 子どもを自分の所有物だと思ってるように聞こえました。一家心中でよくあるじゃないですか。『子供だけ残してあげたらかわいそうだから殺してあげる』。それと同じです。自分と子供が別の人間だということを理解してない!」
と冷たく怒りに満ちて言い放ちます。
ここでわかる通り、実の親に対して、自分の意思とは関係なく殺されそうになったことに怒りがある。
だからこそ、不条理な死を敵(1話で中堂さんと会話しているときに出てくるセリフ)と思って、法医学で戦っているのかもな……と納得しました。
しかし、ミコトの秘密ってもっとあとで出てきそうなのに、2話で出てきちゃったから、これ以降の話から紐解いていくのは、久部と週刊ジャーナルの関係と、中堂さんと葬儀屋の秘密ってことになるんですよね。
ツボなポイント
東海林が、検視官の代わりにUDIラボが現場に派遣されたときに、検視官を指す意味で、「『臨場』の内野さん」って言ったり、「科捜研は忙しくてすぐに検査してくれない」というシーンでは、「沢口靖子は忙しいの!」と言ったり。
その東海林のミーハーっぷりが最高でした!
(ちなみに、書き忘れたけど、1話で、遺体が燃やされてなければ調査できるのにーとミコトと悔やんでいるときに、アメリカなら埋葬というところから東海林が連想して『ウォーキング・デッド』の話が出てきます。が、これ、後々かなり重要なセリフなので、覚えておいてもらえると!)
見ておいたほうがいい動画
本当に最初のほうだけだけど、『タイガー&ドラゴン』で、一家心中をして子どもだけが助かる話が出てきます。
それは主人公の虎児(長瀬智也)が、自分の生い立ちとオーバーラップさせるシーン。
生い立ちと本編のあらすじはあまり関係がないといっちゃ、関係ないんだけど、その登場人物の暗いバックグラウンドと反してストーリーをコメディに昇華させているところは必見です。
『アンナチュラル』2話の出演者
石原さとみ、井浦新、窪田正孝、市川実日子、飯尾和樹、松重豊、竜星涼、池田鉄洋、薬師丸ひろ子、北村有起哉、大倉孝二、吉田ウーロン太、松村沙友理、菅野莉央、栄信、ニクまろ、麻倉卓也、森谷ふみ、細野今日子
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※本ページの情報は2020年9月時点のものです。最新の配信状況は U-NEXTサイト、Paraviサイトにてご確認ください。