<<<前へ:【ドラマ『滅相も無い』7話あらすじ・レビュー】好奇心も強すぎると不幸になる?
2024年4月16日からTBSで火曜25:28(MBSは火曜24:59)に放送中のドラマ『滅相も無い』。堤真一、中川大志、染谷将太、上白石萌歌、森田想、古舘寛治、平原テツ、中嶋朋子、窪田正孝が出演。ナレーションを津田健次郎が務めるSFヒューマンドラマ。
この作品の最終回(8話)のあらすじ・レビューを書いた記事です。
あらすじ
最後に自分の話したのはこれまでみんなの話を記録していた岡本(窪田正孝)。
いまだに覚えている小学生の頃に見た夢の話を語る。
いつもは車で行くはずの祖母の家に電車とバスを乗り継いで向かう。
そこにいた祖母はやたらと祖父が亡くなったことを嘆き、何もできなくなったとぼやく。
そして夕飯を食べて、お風呂に入って寝る段階になって、これは夢だと気づいた岡本。
しかしそれでも眠くなったので夢の中なのに寝てしまう。
起きたら正気に戻っているだろうと思ったら、まだ夢だった。
前日の約束通り、父と釣りに行く。そして帰ってきたら祖母が泣いているので、慰めていたらいつの間にか布団の中にいた。
これもまだ夢の出来事。
しかも祖母が寝ている自分を見て「代わってよ」とつぶやいていることに気づく。
怖くて、目が覚めるように太ももを何度もつねる。
ふと気づいたら、布団の中だが、これもまだ夢の中。
今度は父と母がいない。外まで探しに行くもいない。
不安になって家に戻ると祖母がいて、謎の液体を「体にいいから」と飲まそうとする。
拒否したところで、両親が戻ってきた。
ホッとして朝食の間泣いてしまう。
気づくとまた布団の中。そして、いつの間にか祖母に謎の液体を飲まされていた。
うがいをしていると、なぜ液体を拒否するのか不思議がる祖母に、無理やりそれを飲まされそうになる。
嫌がっていたはずが、気づくとまた布団の中にいる。
いい加減、目覚めたいと思った岡本は台所の包丁を持って……。
レビュー
強烈な夢で、小学生の頃に見た夢だと思っているけど、もしかしたらもっと後に見たんじゃないかとも思っているという岡本。
そして、現実自体がこの夢の続きのような世界に見えてしまって、このままの状態で生きていくことに辟易している。
とはいえ、穴に入るかどうか迷っているとみんなの前で明言していた。
夢か現実か区別がつかないということはないけれど、どれが本当なのかわからなくなることはある。
この回の冒頭で、街に広告が溢れていることに気づいた岡本。自分が選んだと思っていた店やモノも実は広告により選ばされたものだったのか疑うシーンがある。
そして6話で、真吾の話の中に「広告代理店」という言葉が出てきて、松岡(上白石萌歌)が彼らに振り回されたことを思い出して拒絶反応を示す場面が出てきた。
この広告の例のように、今回の話……というかもしかしたらドラマ全体で、どれが本当なのかわからなくなる不快感を主張したかったのかもしれない。
ちなみに、岡本が最後に教祖の小澤(堤真一)と会うんだけど。
そこで穴に入るか迷っている岡本に小澤が「人は虚構しか共有できない」なんてことを言う。
結局はどれが本当なのかわからないというより、世界は誰かが作った嘘まみれで、それに振り回されているということが不快。
ということを主張したいドラマだったのかも。
そう考えると小澤自体も不快なもの。
だって、おそらく嘘を含んだ話を吹聴しているから。
穴に入ったことがないのに、救済を求めるのなら穴に入ったほうがいいなんて言うでしょ?
だから、岡本が彼と会っていたときに何の邪心もなく「なぜ穴に入らないんですか?」と聞いていたのは痛快だった。
作品概要
タイトル:『滅相も無い』
放送日:2024年4月16日〜6月4日
放送時間:24:59〜(MBS)、25:28〜(TBS)
放送局:MBS、TBS
キャスト:中川大志、染谷将太、上白石萌歌、森田想、古舘寛治、平原テツ、中嶋朋子、窪田正孝、堤真一
監督・脚本:加藤拓也
主題歌:クリープハイプ「喉仏」
動画配信:Netflixで見る
公式サイト:https://www.mbs.jp/messoumonai/