『いだてん』10話。
今回のストーリーは、日本ではちやほやされていた三島(生田斗真)が無視され、世界記録を持っている上に足袋で走るその姿も注目される四三(中村勘九郎)のほうが記者や他国にもてはやされるという、それまでとは逆転した立場になる日本代表の2人。
しかも、2人は大森(竹野内豊)がストックホルム到着後、持病が悪化したせいで満足に指導も受けられない。
そして、みんなして白夜で眠れない。
そんな状況に先に参ってしまったのが三島。
トイレのサイズも高くて合わない、走るタイムも平凡で西洋人からバカにされているみたいだし、新聞で取り上げられるのは四三ばかりで、自分の写真が載ったかと思ったら、四三と間違えられて載っただけ……と、様々なストレスから発狂し、窓から飛び降りようとする。
実は四三も内心参っていて、嘉納治五郎(役所広司)に、ストックホルムに着いてから2週間の間に湧き上がったネガティブな気持ちを綴った手紙を送ろうとしていた(いや、送ったのかもしれない。そのあたりの描写は今回、描かれていなかった。だから後々この話が出てくる可能性大。とにかく、現時点でその手紙は嘉納先生は見ていないよう)。
けど、三島が落ち込む姿を見て「とにかく走ることさえすればいい」と自分に言い聞かせるように三島を説得する。
ようやく三島も落ち着き、大森も回復。練習も順調になってきて、オリンピックが迫るある日。
夏至祭のせいで夜(といっても白夜だから明るい)でも外が騒がしく眠れず、音楽を止めてもらおうと四三と三島が祭の会場へ訪れていたところ、嘉納先生がようやく到着。
紆余曲折あったけど、なんとか心身ともにオリンピックへの準備が整った四三と三島。
そんな紆余曲折なんてつゆ知らず、呑気に登場する嘉納先生。
あと数日後に迫ったオリンピックの開幕に向けて、どうにかいい流れになってきたけど、来週はいかに?
しかし、なぜサブタイトルが「真夏の夜の夢」なのかと思ったら(お恥ずかしながら、話の概要などウィキペディアで調べました……)、この物語のキーになっている妖精の力が強くなるとされる夏至のシーン(夏至祭)が入っていたことや、その妖精のいたずらのせいで物語に変化があること。
(『いだてん』でいうところの白夜とか、不慣れな外国の慣習とか、大森の体調不良とか)
けれど、なんだかんだハッピーエンドを迎えること。
(『いだてん』だと、三島の飛び降り騒動があったけど、それを乗り越え、そして遅れていた嘉納先生が合流し、ようやくオリンピック出場に向けての準備が整う)
こんな感じで、「真夏の夜の夢」のストーリーにリンクさせて、10話が語られていたからかな、と。
毎回、サブタイトルと何かしら関連あるシーンが登場するけど、今回は割とストーリー全体がそのタイトルが示す内容と掛け合わせて作られていておもしろかった。
来週は、「百年の孤独」。
こ、これは単純に日本選手が海外選手から孤立してた的な意味(実際10話もそういう話だったし)で使っているような気がするけど、どうなんだろう……。
そういえば、四三と三島の監督である大森が咳き込むほど肺に持病を持っていることと、孝蔵(森山未來)の師匠・橘家円鏡(松尾スズキ)が肺の病気を患っていることが描かれていた。
四三のエピソードと、影の主人公、孝蔵(古今亭志ん生)のエピソードをリンクさせてたのが、これまたおもしろかったな。
余談ですが。
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