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ダメキャラばかりなのになぜかハマる『東京ラブストーリー』の中毒性

東京ラブストーリー DVD BOX

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リアルタイムでもチラ見していたと思うのだけれど、小学生だったのでぼんやりとしか覚えていなくて、ちゃんとガッツリみたのはこの再放送ではじめて。 当時もなんとなく「赤名リカ(鈴木保奈美)のグイグイくる感じが嫌だなぁ」と思ってはいたけれど、今回みたときもそれは否定できず(リカに共感しまくりだった人すみません……)。 何が嫌だったのか考えてみると……。 まず、永尾完治=カンチ(織田裕二)はそもそも高校の同級生だったさとみ(有森也実)が好きだった。そんなこととっくに気づいていたけど、一目惚れしたものだからグイグイ行く。ひょんなことからさとみが三上(江口洋介)とくっついちゃったから、そのすきを突いてゴール! でもまだカンチはさとみに未練たらたら。それ知っているのに、カンチのお母さんからの電話に出ちゃったり、アメリカ行きが決まりそうになったら「引き止めて!」とか言うし……。 そんな肉食系な感じがどうも受け付けなかったよう。 とはいえ、ほかのキャラクターも結構ダメな人ばかり。 カンチは、とにかく優柔不断。学生時代からずっと片思いのさとみに告白できずズルズルここまで「単に優しい男」で来て、さとみが三上とくっついたら、グイグイきていたリカにふらふら〜と行ってしまう。 そのくせ、結局さとみへの思いを断ち切れず、リカを傷つける羽目に。 さとみは、三上に片思いしているくせに本人の前ではツンツン。でも三上が自分のことを好きだと知って、両思いに!それで浮かれポンチだったのに、浮気症の三上がほかの女といるところを何度も目撃し、別れを決意。 そのくせ慰めてほしくて「優しい男」カンチに頼っているうちに、「やっぱり私、永尾くんのことが好き!」と突然、目覚め、おでんを持って押しかけて、リカから奪っていくという、かの有名な「おでん女」と化す。 三上は、さとみと付き合う前には何股もしていた軽い奴。 でも本命はさとみだったから、その後はほかの付き合いは断ったものの、同級生の長崎尚子(千堂あきほ)にだけは、さとみと同じツンデレ臭に惹かれてちょいちょいちょっかいを出していた。 それをさとみに目撃され、さとみとの仲はジ・エンドになった典型的なダメ男。 正直いって、「どいつもこいつも!」というのが『東京ラブストーリー』のキャラクターなんですよね。 でもなぜか、ハマってしまう。 個人的にはどのキャラクターも共感できなかったのに次の回、次の回とみたくなる中毒性があったのはなぜなのか。 誰かがいつも片思いをしていて、その展開がどうなるのか、毎度関係性が不安定というのが一因かなと。 例えば、1話では、リカ→カンチ、カンチ→さとみ、さとみ→三上という片思い乱立状態。どこかで誰かの矢印が変わりそう……って期待しちゃいますよね? 5話は、いちおうリカとカンチ、さとみと三上は両思い。だけど、三上が長崎尚子に惹かれているのにさとみは勘付き……。 9話は、さとみと三上の破局後、リカに海外赴任の話が持ち上がっているのにカンチは最後に知らされたという出来事を経て、カンチの気持ちはリカから離れはじめ、さとみに傾きかける……?という展開。 この、誰がどうくっついちゃうのかわからない、みている人の気持ちを揺さぶるような展開のおかげで、物語についつい引き込まれていくのかなと。 あと、イライラという感情。 肯定的な感情だけでなく、否定的な感情もつい物語に惹きつけられる要因になっていると思う。 リカに対するイラつきは私だけだと思うんですが、さとみの逆ハーレム状態で片方がダメなら、もう片方に乗り換える、おとなしそうに見えて意外と積極的であからさまに積極的なリカよりタチが悪い!とイライラした人は多そう。 でも、イラッとするけどつい見ちゃうんですよね。「あいつ、『おでん好きって聞いたから』とか言って家まで押しかけてきたよ。ムキー!」って思いながらね。 そのあたりの感情を逆なでる仕掛けが、ついドラマを見届けたくなってしまうほど巧み。 90年代初期に作られたものではあるけれど、いつの時代にみても色あせないストーリー展開だなと感じました。 たぶん、またしばらくするとみたくなっちゃうんだろうな。]]>