吉田志織という女優に出会えただけでも価値があった映画『チワワちゃん』

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劇場公開されていたときから気になっていたけど、いよいよ動画配信がはじまったので視聴してみた、岡崎京子原作の映画『チワワちゃん』。

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公式サイトでも紹介している通り、タイトルにあるチワワちゃん(吉田志織)は悲惨な死に方をしてしまって、そこに引っかかった主人公のミキ(門脇麦)が、出会った頃から死ぬ間際まで、彼女がどんな人生を送っていたかを仲間たちに聞きながら偲ぶ物語。

チワワがミキたちと出会ったのは、ミキたちの仲間の溜まり場となっているミュージックバーで、仲間のひとりであるヨシダくん(成田凌)の彼女として紹介されたことがきっかけ。

最初は、彼女の能天気さにみんな引き気味だったんだけど、その日、バーのVIPルームに大金を持ち込んでいた男たちのお金をチワワが先陣を切って強奪。そして、そのお金を使って(男たちは不正献金に使う予定だったから、まるっと儲けてしまった)、みんなで豪遊したおかげですぐに仲間と打ち解けるチワワ。

でもその豪遊先で、ある出来事を目撃してから次第にチワワは狂っていく。

そして、彼女が死ぬ2、3日前までの様子が語られ……。

ミキや彼女が仲間から聞いたチワワ……という設定で、チワワの言動が描かれるんだけど、最初はそれが奔放すぎて鼻についていた。

例えば、ミキがインスタでモデルまがいのことをしているんだけど、それを真似したチワワのほうが注目されてしまって、本当にモデルとして活躍するようになるわけ。

ストーリーはミキが主人公だし、見ているこちらとしてもミキに感情移入してしまって、おもしろくないのよ。

それに、恋愛も奔放。

ヨシダとうまくいってないと女友達にはグチっていたと思っていた時期と前後して、モデルの仕事経由で知り合った男と付き合うようになるし、なんなら誰にでも体を許すし、甘えさせてくれる人なら女の子にだってベタベタしてしまう。

そのくせ、誰かが連絡をとろうと思うと電話はつながらないし、でも、お金を貸してほしいとか都合のいいときだけ連絡してくる。

だから、チワワの調子がよくて身勝手なところにイライラしていた。

でも、どうしてそんな人間になってしまったか。

よくよく考えてみると、そういう破天荒なことをしているときって彼女は必ず自分が愛されていないことを嘆いていた。だから、きっとずっと愛に飢えていたんだと思う。そう考えると、チワワの身勝手な甘えもなんとなく共感できた。

そして、そういう視点で見ていくと、知っている人に会えば、無邪気な笑顔を見せるのに、どこか陰鬱な空気をチワワから感じてくる。しかも、彼女の死が近づいてくると、彼女が背後にまとう影の量が増えていくし……。

切ない気持ちでいっぱいになる。

ちなみにストーリー全体の感想を言うと、原作から変更したり加えたり原作より描きすぎなシーンが多い分、こちらで解釈していくのりしろが少なくなってしまったのが個人的にはちょっと残念だった。

でも、チワワちゃんを演じた吉田志織が最高で!

人に近づくときは「チワワ」と言っているだけあって、甘え上手で本当にかわいい!

どんなシーンでも、いつだってキュートなチワワちゃんでいてくれる。

けど、誰からも愛されないんじゃないかという不安をずっと募らせてて、愛情がない人に対しても迫ってみたり、気を抜いていると暗い表情を見せたり……。

さっき言った、影のまとい方がうまいのよ。

しかもストーリーが進むにつれて増していく彼女の暗さを、絶妙に演じきっていて。

映画の物語自体は期待していたよりもちょっと残念ではあったけど、吉田志織に出会えただけでも価値があった作品。

彼女のこれからの活躍に期待大! 主演作品ができるのも時間の問題だと思う。

ちなみに、原作にある別の短編ストーリー『好き?好き?大好き?』をモチーフとしたシーンが映画『チワワちゃん』の中に登場するところは、必見かも。

漫画を読めばわかるけど、雑誌での掲載タイミングが違うのに、『チワワちゃん』と話がつながっているような作品だから。

そこを汲み取って映画に入れたのはナイスだったなと。

よかったら、原作もぜひ。

 

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