【『岸辺露伴は動かない』第1期あらすじ・レビュー】不気味だけどハマるこのサスペンスドラマの魅力とは?

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高橋一生が岸辺露伴、飯豊まりえが泉京香を演じ、怖さと不気味さがありながら、不思議な余韻を味わえるサスペンスドラマが『岸辺露伴は動かない』。第1期は、2020年12月28日から12月30日までNHK総合で22:00に放送されました。この作品の各話あらすじ・レビューを書いた記事です。

うまい話の裏には怪異がいる?「富豪村」(1話)

あらすじ

漫画家の岸辺露伴(高橋一生)に新しい担当編集・泉京香(飯豊まりえ)がつく。これまでは、編集がそれほど露伴に深入りすることはなかったが、泉は露伴が大物漫画家だろうがお構いなしに図々しく入り込んでくるタイプ。

そんなある日、露伴の短編作品のアイデアとして、泉は彼氏である平井太郎(中村倫也)から聞いた富豪村へ取材に行く提案をする。
というのも300万円という破格の値段で、そこにある土地が売りに出され、泉が買いたいという目論見があったから。
ちなみに富豪村は豪邸が集まった山奥にある小さな集落で、そこに住めば必ず成功し富豪になるのだとか。ただし、土地を買うには交渉の際にそこの主(あるじ)からマナー違反がないか厳しくチェックされるという。

そんなうまい話があるのかと訝しながらも、泉の話に乗る露伴。

交渉のため主の屋敷に赴いた露伴と泉は、案内人と名乗る一究(柴崎楓雅)に出迎えられるが、すでにそこからマナーのテストははじまっていた。

途中でマナー違反を犯した泉は主に会う前に帰るよう一究に宣告されるが、リトライを申告する。すると違反するたびに大切なものが失われることに。

それに動転してこれ以上のマナー違反を犯さないように、露伴はギフト(天性の能力)と呼ぶヘブンズ・ドアー(その人の歴史・思想を本の形にして読めるようにする)の力を使い、彼女を本の形に変えて気を失わせるのだが……。

相関図

レビュー

話の構造は、ただクオリティの高い漫画を心乱さず描きたいだけの露伴に、泉が奇妙な提案をする。それを受け入れてしまったがゆえ、怪異が起こす事件に巻き込まれた露伴が、自らの力を使ってなんとか乗り切るという形。

で、事件というのは泉が富豪村でマナー違反をしたせいで大切なものを失ってしまったこと。なぜ起こったのか。ファンタジーと言ってしまえばそうなのかもしれない。けれど、それが呪いとか天罰とかそういった類のものであるから怖いし、不気味さが漂う。

それであっという間にピンチに陥ってしまった泉。彼女を露伴が救うのだけど、その手段自体も「ヘブンズ・ドアー」という論理的には説明しがたいものだから、それこそファンタジー。

でもそれだけにとどまらず、露伴だからこそできる利発な仕掛けを施すから、まるでミステリーを解決するような爽快感がある。

それでいて、無事解決したあとに今回遭遇した出来事を振り返ると、幻のようにも感じる。しかも結局、事件が起きた原因となるものも不明のまま。だからこそ、ゾクッとするような作品の余韻が残る。

この論理的に説明できない気味の悪さと、論理的に説明できる露伴の仕掛けと、事件が解決しても残る不思議さの緩急がおもしろくて。
それがこのドラマにハマるポイントだと思った。

あとは個人的に泉が着ている洋服が好きなんですよね。
特に、緑色のツイード調のオールインワンに、フリルの白シャツのコーディネートが本当に大好き。
そして、あの巻き髪が物語の雰囲気にマッチしていて、最高。

コスチュームも含めて細部までこだわりがあって。それらが生み出している物語の空気感も、ハマった要因のひとつかも。

▼「富豪村」の原作は1巻に収録

言霊の力を思い知った「くしゃがら」(2話)

あらすじ

ある日、岸辺露伴(高橋一生)は漫画仲間(だと一方的に思われている)志士十五(森山未來)に偶然会い、編集部から禁止用語リストなるものを受け取ったという話を聞く。自分はその存在すら知らなかったが、リストを見せてもらうと納得がいかない用語もちらほら。そして、十五いわく意味のわからない用語もあるという。それが「くしゃがら」。

露伴もわからず、十五と別れてからもその言葉が気になりしばらく調べていた。そのために入った古本屋で十五と再会した露伴。しかし彼は前に会ったときのようないい加減で陽気な奴ではなく、「くしゃがら」の意味を知りたいという思いに取り憑かれ、おかしな言動を繰り返していた。

その姿を見て、露伴は「くしゃがら」について考えないようにしたが、十五は露伴の家にまでやってきて暴走してしまう。仕方なくヘブンズ・ドアーを使って十五の本に「くしゃがらを忘れる」と命令文を書き込み、彼を止めようとするが書いても書いても文字が消えていき……。

相関図

レビュー

今回は十五をきっかけに露伴が事件に巻き込まれる構造の物語。

結局、「くしゃがら」の正体はわからず。ただヘブンズ・ドアーの力を使って出てきたものは、黒く蠢く袋とじのようなもの。
露伴いわく、テレビや雑誌で自主規制しているようなライトなものではなく本物の禁止用語。言ってはいけない言葉らしい。
気にしない、聞き流さない限り取り憑かれてしまうものだとか。

劇中でも言っていたけれど、それって「言霊」だよね。
物語で使われていたのは、意味はわからないけど気にすると悪い方向に行ってしまう「くしゃがら」という言葉だった。
しかし、私たちが日ごろ意味をわかっている使っている言葉でも、ネガティブなものを言い続けているとやはり悪い方向に行ってしまう。
今回のストーリーはそういう教訓を秘めた内容だったのだと思う。

一方で、いい意味の言葉を使っていれば、ポジティブな方向へ向かう。
その例として泉京香(飯豊まりえ)の存在があった。
泉くん自体、どうでもいいことはスルーして、前向きな言葉を取り入れて行動に移すタイプ。
今回も「くしゃがら」という単語を聞いていたはずなのに、完全スルー。そして、露伴から聞いた話の中で使えるものは前向きに受け止めて行動してるし。
露伴が感心していたのも納得。

▼「くしゃがら」の原作は「岸辺露伴は叫ばない 短編小説集」に収録

「奇跡」的に起こった不可思議な出来事ではなく、「遺伝子」が招いたって何? と思った「D・N・A」(3話)

あらすじ

平井太郎(中村倫也)はかつて都会的な写真を撮ることで有名な写真家だった。
しかし、6年前に事故に遭い瀕死の重傷を負う。それから以前の記憶をなくしてしまった。

1年前、彼の写真のファンだった泉京香(飯豊まりえ)と付き合うことになってから、昔の記憶を思い出そうとしてみるがうまくいかない。

そんなある日、太郎は泉とデートしている途中、片平真依(瀧内公美)とその5歳の娘・真央(北平妃璃愛)とすれ違う。そのとき突然、太郎は真央に袖を掴まれ、バランスを崩して倒れてしまう。

その様子を偶然見ていた岸辺露伴(高橋一生)。その時に、両目の色が人と異なり、逆さまの言葉を使う真央の不思議な雰囲気が気になった。

「奇跡」をテーマにした短編作品のネタの参考にしたいという思惑もあり、露伴は真央の秘密を調べようとヘブンズ・ドアーの力を使ってみるが……。

相関図

レビュー

1話からさり気なく登場していた泉くんの彼氏・太郎くんをきっかけに、偶然とも奇跡とも言える現象に露伴が巻き込まれるストーリー構造。

物語の肝となるのは、他人に興味を持ったことのない真央が、なぜか太郎にだけは自分からアプローチしたこと。
その真相を探っていく中で、真央の父で真依の夫である央(奥野瑛太)が交通事故で亡くなり、臓器提供をしていた。そして同じ時期に瀕死だった太郎も臓器提供を受けていたことがわかる。そこで、おそらく央の臓器が太郎に提供されたのだろうという話に。

変わった特質が真央にはある。けれど、それ以上に、遺伝子が持つ過去の記憶を嗅ぎ分けられる特質を持つかもしれないというのが、今回起こった不可思議な出来事(真央が太郎にアプローチしたこと)の結論だった。

1、2話の流れで考えると、真央の中に何か怪異がいて、そのせいで目の色が違っていたり、逆さま言葉を使っていたり、母の真依いわく彼女のまわりに事故が多かったりという特質が出ているのかと思った。だから途中までタイトルが「D・N・A」ってどういうことなんだろうと思っていた。

けど、不可解な現象の原因は、怪異でもなんでもなく、遺伝子がわかるということ。その意味での「D・N・A」だったのかと納得。

印象的だったのは、露伴が太郎、真依、真央をヘブンズ・ドアーの力で本にして中身を見たら、3人がひとつにつながるものがあったこと。
あそこが幻想的でもあるし、「奇跡」というよりつながるべくしてつながった感じもした。

これまでの話はどこか怪異のおどろおどろしさがあった。けれど、今回はまだ詳しく解明されていないDNAが招いた幸せな結末を描いていて、温かい気持ちになれた。
ただ泉くんにとっては残念なラストだったことが、いいオチだったけど(笑)。

▼「D・N・A」の原作は2巻に収録

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作品概要

タイトル:『岸辺露伴は動かない』第1期
放送日:2020年12月28日〜12月30日
放送時間:22:00〜22:49
放送局:NHK総合
キャスト:高橋一生、飯豊まりえ、中村倫也、柴崎楓雅、森山未來、瀧内公美、奥野瑛太、北平妃璃愛
原作:荒木飛呂彦
脚本:小林靖子
演出:渡辺一貴
動画配信:Amazonで見るU-NEXTで見る
公式サイト:https://www.nhk.jp/p/ts/YM69Q8456J/
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