【『岸辺露伴は動かない』第2期あらすじ・レビュー】坂は境目……「六壁坂」の妖怪伝説とは?

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高橋一生が岸辺露伴、飯豊まりえが泉京香を演じたサスペンスドラマが『岸辺露伴は動かない』。人の心や記憶を本にして読むことができ、絶対に逆らえない命令を書き込むことができるヘブンズ・ドアーというギフト(能力)。この力を持つ漫画家・岸辺露伴と編集者の泉京香が出会う怪異と、それが起こした不可思議な現象を解き明かしていく作品。第2期は、2021年12月27日から12月29日までNHK総合で22:00より放送。この作品の各話あらすじ・レビューを書いた記事です。

目次

「ザ・ラン」(4話)あらすじ

取材をするために破産してまで妖怪伝説がある山を買ったという岸辺露伴(高橋一生)。それは橋本陽馬(笠松将)との出会いがあったからだった。

漫画の体力づくりとして露伴はジムへ通っていた。そこで知り合ったのが駆け出しのモデルだった陽馬。事務所の社長から指示され鍛えているという。彼はジム会員同士がランニングマシンで競っているのを見て、自分のほうが走ることに向いていると確信。ジム以外の時間も走ることにハマり、さらに走り込むようになる。

ある日、陽馬は露伴にランニングマシンでの勝負を持ちかける。そこで露伴に負けた陽馬は狂わしいほどランニングにのめり込んでいく。

自信を持った陽馬は再び露伴へ勝負を持ちかける。しかしジムの様子のおかしさに気づいた露伴はヘブンズ・ドアーの力で彼がなぜここまで走ることにこだわっているのかを調べてみる。すると出てきたのは彼が気に入っているというランニングコースにある「六壁坂」という地名で……。

4話相関図

▼「ザ・ラン」の原作はコミック2巻に収録

「背中の正面」(5話)あらすじ

ある山を買い取るように指示されたリゾート開発会社に勤める乙雅三(市川猿之助)。その山を自分より先に買い取った岸辺露伴と交渉するため彼のもとを訪ねてくる。しかし、乙は頑なに露伴へ背中を見せない。なぜそこまで見せられないのか、その理由が気になった露伴。ヘブンズ・ドアーの力でその理由を調べるも、特にこれといった訳が出てこない。そこで家に彼を招き入れ、あの手この手で背中を見ようとする。

露伴の罠にはまり、背中を見せることになったが、特別変わったことはなかった。と思った途端、彼の背中が蠢き出し、倒れてしまった。

彼が救急車に搬送された途端、露伴の背中が重くなる。すると、乙の顔をした怪異が取り憑いていた。背中を見せるとそれを見た人に取り憑くらしい。そしてその怪異は六壁坂から来たものだということがわかる。どうやら、乙が六壁坂へ訪れたときに憑いてしまったらしい。

そこで露伴は六壁坂に怪異を返そうと、誰にも背中を見せないように移動する。

一方、泉京香(飯豊まりえ)は露伴からジムのランニング男の話を聞き、過去の事件を調べた。そこで「六壁坂」というキーワードにたどり着く。そして坂にまつわる都市伝説を調べている中で、「かごめかごめ」が聞こえたときに振り返ると神隠しにあうという話を見つけ、それを露伴への取材資料としてまとめるが……。

5話相関図

「六壁坂」(6話)あらすじ

ついに岸辺露伴は買い占めた山の中にあり、妖怪伝説が残る六壁坂へ取材に出かける。ただその坂は具体的にどこにあるのかは不明。行方不明になっていた陽馬の恋人の死体が発見された場所、乙が地主と交渉に行き迷った場所をリンクさせ、六壁坂はどこかあたりをつける露伴。

その矢先、山奥にある屋敷に住む名家の娘・大郷楠宝子(内田理央)と出会う。そこで六壁坂の怪異について知るため、ヘブンズ・ドアーの力を使い彼女について調べてみる。

すると、大学生の頃、屋敷の離れに住んでいた楠宝子は、許嫁である高窓修一(中島歩)がいながら庭師の釜房郡平(渡辺大知)と隠れて付き合っていた。卒業後すぐに高窓と結婚することになっていた楠宝子はある日、郡平に別れ話を持ちかける。しかし郡平に別れる気はない。それで揉めてしまった楠宝子は、彼を突き飛ばす。すると運悪く、そばにあったゴルフクラブに当たり亡くなってしまう。

その矢先、離れに高窓が訪ねてきてしまう。しかしなぜか郡平からの出血が止まらない。そして、みるみるミイラのように干からびていく。焦った楠宝子はゴザにくるんでなんとか高窓から隠すことに成功。

高窓が帰ったあと、遺体を捨てるため郡平を運び出すとき、偶然花瓶の水が彼にかかる。すると、ミイラみたいだった死体が元に戻って、まるで眠っているかのような姿に。

その後、予定通り高窓と結婚し、子供ができた今まで家の天井裏に彼を隠し、毎日出血する血を捨てては水を与え、世話をし続けているというが……。

6話相関図


▼「六壁坂」の原作はコミック1巻に収録

レビュー

第2期は、3話で終わった第1期から引き継いで、4話からスタート。そして、第1期同様に1話完結ではあるものの、今回は6話の「六壁坂」を最終ゴールとして話が連続しているのが特徴。

4話でなぜ露伴が六壁坂に惹かれたのか、4、5話で六壁坂の妖怪を、6話でついに現地へ……という展開。

1〜3話では、露伴と怪異との出会いは偶然だったけれど、4〜6話では六壁坂に興味を持ったせいで怪異に巻き込まれているように感じる。
しかもこの第2期のほうが、露伴の負担が大きいケースが多かったような。

陽馬の場合は、下手したらビルの窓から落下していた。乙の場合は、背中に怪異を背負ったまま移動しなくてはならなかった。六壁坂では、自分のせいで死にゆく姿がまるでミイラのようになってしまう怪異に出会ってしまう。

ただこんなに危ない目に遭いながら、怪異そのものを退治するわけではない(一応、起こった問題は解決するけどね)。
というのもこれはあくまでも漫画のネタにするための取材だから。

そうやって不思議を不思議なままにしておいて、その後については視聴者の想像に委ねているのが、この作品のよさなんだと思う。

ちなみに第2期のテーマは、坂は境目という話。坂はこっち(人間界)とあっち(妖怪界)の境目で、何かをきっかけに境目が開いて、あっち側のものがこっち側に来てしまう。
だから六壁坂もそうだという。

いかにも都市伝説にありそうな言説。
それをストーリーに混ぜ込むことでリアリティが生まれるから、ゾッとするし、おもしろい。

それから個人的に好きなシーンがあって。
それは6話で楠宝子が誤って郡平を殺してしまったところで、カラーだった映像が徐々に白黒に変わっていくところ。
派手に流血するシーンがあるから、そのグロテスクさを抑える意味もある。けれど映像が白黒になることによって、人が死んでしまい、それを誰かに知られまいとする楠宝子の焦りがより強調されていたように感じた。
思わず私も手に汗握ったもの。

こういう映像ならではの不気味さや思わずドキドキしてしまうシーンがあるから、実写化が見逃せない。

作品概要

タイトル:『岸辺露伴は動かない』第2期
放送日:2021年12月27日〜12月29日
放送時間:22:00〜22:49
キャスト:高橋一生、飯豊まりえ、笠松将、市川猿之助、内田理央、渡辺大知、中島歩
原作:荒木飛呂彦
脚本:小林靖子
演出:渡辺一貴
動画配信:Amazonで見るU-NEXTで見る
公式サイト:https://www.nhk.jp/p/ts/YM69Q8456J/
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